入浴の基礎知識
温かいお湯にじっくり浸かると気持ちがよいものですが、入浴をすることで身体にはどのような変化が起きるのでしょうか。入浴で期待できる効果を、解説していきます。

入浴は身体によいということは広く知られていますが、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。入浴による効果について解説していきます。
入浴による3つの作用と期待できる効果
湯船に浸かる入浴には3つの作用があり、一時的ではありますが以下のような効果が期待できます。
温熱作用
体温より温度の高いお湯に浸かることで、体は温まります。体温が高くなると熱を発散させるため、血管が広がり汗をかきます。血流がよくなることで、疲労回復やコリを改善効果が期待できます。また、心肺機能の向上と発汗により、自律神経を調整する作用も期待できます。
水圧作用
血流を促す効果は、温熱作用だけでなく水圧による作用にもあります。お湯に浸かることで体に水圧がかかり、血流を押し出す役割を果たします。これにより、心肺機能の向上、新陳代謝を上げる作用が期待できます。ただし、圧力がかかっている状態は負担が重い状態でもあるので、半身浴程度の湯量での入浴がおすすめです。
浮力作用
水の中に入ると体が浮くように、お湯にも浮力があります。浮力によって普段体重を支えている筋肉や骨、関節といった部位への負担が軽減されます。湯船に浸かった際に、全身の力が抜けるような感覚になるのはこのためで、負担が軽減されることで全身のリラックスにつながります。
部分浴の効果とは
全身をお湯に浸からせなくても、部分浴をすることで体にとってよい影響は十分に期待できます。
半身浴
半身浴は、38~40℃のちょっとぬるめのお湯に、みぞおちのあたりまで浸かる入浴法です。20~30分ほど浸かると身体の芯から温まり、血行促進と発汗作用を促します。いわゆる「デトックス効果」や、自律神経の調整に有効とされている入浴法です。
足浴(足湯)
足湯は服を着たままでもできる手軽な入浴法です。くるぶしより少し上程度が浸かる40~42℃のお湯を用意し、10~15分ほど足を浸けます。足だけなので身体の負担が少なく、お年寄りにもおすすめの入浴法です。足を温めると血液の循環が促され、全身が温まり疲労やコリの軽減につながります。冷え性の方にもおすすめです。
手浴
手浴は40~42℃ほどのお湯を用意し、手首の上くらいまでを10~15分ほど浸ける入浴法です。手首には血流の多い動脈が通っているため、血行促進が期待できるほか、ハンドマッサージの効果向上も期待できます。
どの入浴方法でも体を温めて発汗を促す作用があるため、入浴前と後に水分補給をしっかりすることが重要です。また、温熱効果や血行促進効果が現れても、入浴後には戻っていくので、入浴後は身体を冷やさないようにしましょう。
入浴剤の効果とは
入浴の際には入浴剤を使用することで効果をより高めることができます。入浴剤は、主に以下の6種類に分けることができます。
- 無機塩類系
- 炭酸ガス系
- 生薬系
- 酵素系
- 清涼系
- スキンケア系