有酸素運動の基礎知識
運動後もエネルギー消費が高い状態であるEPOC(運動後過剰酸素消費量)を有効活用することは、ダイエットを効率的に行うためのポイントになります。ダイエット効果を高めるEPOCの活用法について解説します。
運動によってカロリーの消費率は高くなりますが、この状態は運動が終わったらいきなり止まってしまうわけではなく、運動後もしばらく続きます。この時間をEPOC(運動後過剰酸素消費量)と言い、有効に活用することで、よりダイエット効果を高めることができます。効果的な活用法について解説します。
EPOC(運動後過剰酸素消費量)とは
EPOCとは、Excess Postexercise Oxygen Consumptionの略で、運動直後にカロリー消費効率が高くなる状態のことを言います。運動の強度にもよりますが、一般的にはおよそ1時間半~2時間ほど続くといわれ、この間は通常よりも脂肪燃焼量が高くなります。ある研究では、「激しい運動を行えば、運動終了後もエネルギー消費が上がった状態が14時間継続する」とのデータも発表されています。
これは、運動後に体が安静時レベルまで状態を戻そうとすることから、通常より多くの酸素が摂取・消費されるためと考えられています。
EPOCでは、体の中で以下のような事象が起こっています。
- 無酸素運動により筋肉に供給が間に合わなかった酸素の補充
- 運動中に発生した疲労物質(乳酸など)の処理
- 筋収縮に必要な直接のエネルギー源(アデノシン三燐酸、クレアチン燐酸)の再合成
- 脂肪からエネルギーをつくる「脂質代謝」機能の向上
EPOCを活用しよう!
EPOCで脂肪燃焼量が高まっているときに座ったり横になって休んでしまうと、せっかくの脂肪燃焼量が下がってしまいます。筋力アップなどではなく脂肪の燃焼によるダイエットを目的として運動を行う場合は、体がくたくたになるまで追い込まず、余力を残してEPOCを有効に活用しましょう。たとえば、以下のように過ごすと効果的です。
- 出勤前にトレーニングや駅までジョギングをし、通勤電車で座らずに立つ
- 仕事のあとにジムでトレーニングをした場合は、帰りの電車で立つ
- 自宅近くのジムなら、トレーニング後に家まで少し遠回りをして歩いて帰る
- 休日の運動なら、早目に起きてトレーニングやジョギングをし、帰宅して家事をする
運動後の短い時間に軽く動くだけでも、EPOCを有効活用できます。ぜひ試してみてください。