主食・ごはん
発芽玄米という言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。しかし、発芽玄米は玄米や白米とどのような点が異なるのかは、意外と知らない人が多いのではないでしょうか。ここでは、発芽玄米の栄養やカロリーについて、解説します。

発芽玄米は健康にいいというイメージを持っている人も、なぜ健康にいいのかは知らない場合が多いと思います。発芽玄米の栄養やカロリーを正しく理解することで、食事にとり入れやすくなります。まずは、発芽玄米の基礎的な知識を知っていきましょう。
発芽玄米とは
発芽玄米とはどういった状態の米を指すのか、そこでまずは発芽玄米とは何かを説明します。
玄米から芽がでたもの
発芽玄米とは、1日から2日ほど玄米に水分を含ませ、約1mmの芽が出た状態のことです。ちなみに。玄米は精米すると白米になるため、白米の前段階といえます。
発芽玄米の栄養価
玄米の状態でも、精米のさい取り除かれる栄養成分が残っているため、栄養価に優れています。玄米の栄養価をさらに高めたのが発芽玄米です。発芽のさい、玄米の中に含まれている酵素が活性化し、新芽になるための栄養素やビタミン、アミノ酸、ミネラルが増加するためです。
玄米より食べやすい
玄米は果皮、種皮、糊粉層からなるぬか層という部分があります。種皮は硬いため、よく浸水してから炊かないと硬い仕上がりになってしまいます。一方、発芽玄米は酵素の力で皮がやわらかくなっているため、炊きあがりがやわらかく食べやすいです。そのため、消化吸収しやすく、玄米のもつ栄養をとり入れやすくなっています。
甘味やうま味が増す
発芽のさいに酵素が働くことで、玄米の甘味やうま味を最大限に引き上げます。
ギャバが増加
ギャバとは血圧を調整する作用がある物質であり、発芽によって増加することが分かっています。
発芽玄米の栄養成分
発芽玄米の基礎知識をお伝えしました。つづいて、発芽玄米の栄養成分について、玄米と比較して紹介していきます。
水分量
水分量を比べると、発芽玄米は玄米と同程度です。水分を貯蔵している胚乳の量に差がないからだと考えられます。
タンパク質
タンパク質量を比較すると、発芽玄米のほうが玄米よりもタンパク質が含まれています。これは、発芽により栄養価が増加したからではないかと考えられます。
脂質
脂質量を比較すると、発芽玄米のほうが玄米よりも多いです。
炭水化物
炭水化物を比べると、発芽玄米は玄米よりも少ないです。これは、炭水化物を発芽のさいのエネルギーとして用いたためです。
発芽玄米のカロリー
玄米と比べて、発芽玄米は脂質やタンパク質を多く含んでいます。発芽玄米を食べる上でカロリーが気になりますが、100gあたりのカロリーを玄米と発芽玄米で比較すると、玄米が165kcalである一方、発芽玄米は167kcalあります。そのため、玄米と発芽玄米の間にカロリー差はありません。また、白米のカロリーは168kcalであるため、白米と比べてもカロリーは高くありません。
発芽玄米の特徴
ここまで、発芽玄米の栄養やカロリーについて説明してきました。最後に、発芽玄米の炊き方や健康効果について説明します。
白米と同様の手順で炊ける
発芽玄米は皮がやわらかくなっているため、白米と同様に炊飯器で炊くことができます。浸水時間や水加減も白米と同様です。そのため、白米と混ぜて炊くこともできます。
炊く前のすすぎに注意
発芽玄米に多く含まれているギャバは水溶性です。ギャバを流れ出させないために、とがずに水で軽くすすぐだけにとどめましょう。
ギャバは白米の10倍
前述したギャバですが、発芽玄米にはなんと白米の10倍ものギャバが含まれています。ギャバを摂ることで、アレルギーの予防やアトピー性皮膚炎の改善、精神安定などの効果が期待できます。
食物繊維
白米と比べて、発芽玄米は食物繊維も豊富です。食物繊維には腸内環境を整えることで、便通をよくする効果があります。また、高コレステロール血症の予防や糖分や脂質の吸収を抑制する作用も期待できます。
ビタミンB1
ぬか層にはビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1は糖質の代謝を促進します。また、脚気(かっけ)の予防にもつながります。
フィチン酸
フィチン酸は穀物に多く含まれる成分です。腸管での抗酸化作用をもち、大腸がんを防ぐことができます。
ガンマーオリザノール
発芽玄米には白米の5倍以上のガンマーオリザノールが含まれています。ガンマーオリザノールは、皮膚の血液循環を促進することで老化を防ぐ効果があります。また、自律神経失調症や更年期障害の症状を和らげることもできるといわれています。