主食・ごはん
ハトムギという言葉を耳にしたことがある人も多いかと思います。しかし、ハトムギの摂取方法や栄養、健康効果については広く知られていません。ここでは、ハトムギの栄養やカロリーについて、解説します。

ハトムギは健康によさそうというイメージを持っている人も、どのような効果があるのかは知らない場合が多いと思います。ハトムギの栄養やカロリーを正しく理解することで、必要なときに摂取しやすくなります。まずは、ハトムギの基礎的な知識をお伝えしましょう。
ハトムギとは
まずは、ハトムギとはどのようなものなのかを説明します。
原産は中国
ハトムギは中国、インドシナ地方から日本にやってきた食物です。昔から薬用として使われてきました。種子は漢方のヨクニインとして古くから用いられてきました。
妊娠中は摂取できない
ハトムギには子宮を収縮させる作用があるため、妊娠中の摂取はできません。また、動物実験において、子宮収縮の促進が認められています。
ハトムギの栄養成分
ハトムギの基礎知識をお伝えしました。次に、ハトムギの栄養成分について紹介していきます。
主な成分
ハトムギの成分は、炭水化物が52%、タンパク質が18%、脂肪が7%含まれています。他にもコイキセノリドやコイキソール(根の部分のみ)を含みます。
タンパク質
ハトムギに含まれているタンパク質は、グルタミン酸、ロイシン、バリン、チロシンなどで多様な種類によって構成されています。
水分量
もろこしやひえなど他の穀物と比べて、ハトムギの水分量に差はありません。
ハトムギのカロリー
ハトムギは炭水化物やタンパク質を多く含んでいます。ハトムギを食べる上で気になるのがカロリーですが、100gあたりのカロリーは360kcalあります。玄米が165kcal、発芽玄米は167kcal、白米が168kcalであることを考えがえると、一見カロリーが高いように思います。しかし、お茶碗1杯が150gほどあるのに対して、ハトムギは一度に100gも摂取しないため、カロリーの心配をする必要はないでしょう。
ハトムギの特徴
ここまで、ハトムギの栄養やカロリーについて紹介してきました。最後に、ハトムギの健康効果として考えられているものについて説明します。
食品として用いたときの効果
ハトムギは昔から美肌効果があるとされてきました。しかし、ヒトでの研究では、食品素材として用いた場合の有効性を証明したものは少ないです。また、ハトムギは薬ではないため、多くの効果を期待して食べるのはやめましょう。
漢方としての効果
ハトムギの皮をのぞいた種子のことをヨクニインと呼びます。ヨクニインは生薬として古くから用いられてきました。炎症を抑え、身体の水分バランスを調整する作用があるとされています。また、肌荒れやイボにも効くとされています。
ヨクニインで肌が整う仕組み
漢方の世界では、「水(すい)」と熱が正常に排出されないと肌トラブルが生じると考えられています。「水(すい)」と熱のバランスが一度乱れると整えるのは難しいです。ヨクニインは利尿作用があるため、「水(すい)」の排出を正常にする効果があります。しかし、短時間で効果がでるものではありませんので気長に続けることが大切です。
美肌効果
ハトムギの食品としての効果は証明されていないと前述しました。しかし、近年美肌効果に関してはヒトでも証明されつつあります。たとえば、ラットの皮膚細胞にハトムギ抽出成分を与えた結果、通常の皮膚細胞と比べて1.7倍も増殖が盛んになることがわかりました。また、ヒトでの臨床実験では、ハトムギエキスを2か月間飲んだ女性は、肌の色が白くなりシミもうすくなったという結果がでました。
抗腫瘍作用
ハトムギはイボに効くともいわれています。これはハトムギの持つ抗腫瘍作用が、肌にできた腫瘍(イボ、魚の目、ポリープ、がん)などに働きかけるためです。特に、漢方であるヨクニインはイボとりの薬として重宝されていました。
利尿作用
先ほども述べたとおり、ハトムギには利尿作用があります。尿がたくさんでるとむくみがとれるため、ふくらはぎや顔がほっそりする効果が期待できます。
健胃作用
ハトムギには胃腸を丈夫にする効果もあるとされています。
排膿作用
膿を身体の外に出す効果があります。そのため、肌荒れやニキビなどの症状に効果が期待できます。
鎮痛作用
リウマチ、神経痛、関節炎など加齢による痛みを鎮める効果があるとして注目されています。