間食とダイエット
腹持ちのいい食べ物を間食にとることで、食べ過ぎを抑えてダイエット効果を高めることが可能になります。食事をしてもすぐお腹がすいてしまうメカニズムも合わせて、お届けします。

間食が習慣になっている場合、すぐに止めることが難しい人が多いでしょう。ダイエットに不向きと思われがちな間食ですが、口にするものや食べ方によっては、逆に肥満度を抑えることも可能になると考えられています。腹持ちをよくする方法を学んで、太りにくい体作りを目指しましょう。
すぐお腹がすいてしまうのはなぜ?
日頃からつい間食してしまう、お腹いっぱい食べてもすぐお腹がすいてしまう、という人は次のような原因が作用していることが考えられます。自分に当てはまるものがないか参考にしてみましょう。
ストレスが改善されていない
ストレスを受けると脳の視床下部からコルチゾールという物質が分泌されるのですが、このコルチゾールは食欲を増進される働きがあるといわれています。そのため、ストレスを過剰に受け緩和されないままだとコルチゾールが大量に分泌し「食べたい」という欲求が生まれやすくなるのです。また、精神を安定させる脳内物質として有名なセロトニンは、甘いものを食べることで増えます。甘いお菓子がやめられないという人は、体が精神安定を促していることも考えられるのです。
睡眠不足が続いている
食欲を増進させるホルモンに「グレリン」、抑制するホルモンに「レプチン」があります。睡眠時間が短い人はグレリンが増え、レプチンが減るという研究結果も発表されています。睡眠不足になりがちの人は、食欲が止まらない状態になりやすいとも言えるのです。
生理の周期が関係している
女性は生理前になると黄体ホルモンと呼ばれる「プロゲステロン」の分泌が増えます。プロゲステロンは栄養素を体の中に溜め込むという作用があるので、生理周期の関係で食欲が増進することもありうるのです。
腹持ちをよくする食べ方とは
間食の量が多かったり、すぐにお腹がすいてしまったりする人は、腹持ちをよくする食べ方を意識すると空腹感を改善できます。血糖値のメカニズムを知ることで、その方法が理解できます。
血糖値のメカニズム
血糖値とは血中のブドウ糖の量を示す値です。食べ物に含まれる糖質は、口に入った後にブドウ糖に変化して吸収され、血液の中に入り込んで体内を循環することで血糖値を上げます。血糖値が上がると、すい臓からインスリンというブドウ糖を分解するホルモンが分泌され、その作用によって血糖値が下がります。血糖値が下がると体は空腹を感じ、食べたいという欲求が生まれやすくなります。
栄養バランスが整っている食事をしていれば、血糖値の下がり方は緩やかです。しかし、糖質が多い食べ物を多く摂取したり、満腹になるまで食事をしたりすると、血糖値が短時間に上昇する傾向があるため、インスリンが大量に分泌されて、血糖値を急激に下げようと体が働きます。これが食べてもすぐにお腹がすいてしまう仕組みです。腹持ちをよくする食べ方は、血糖値を急激に上昇させない食べ方と言えるでしょう。
糖化を引き起こす可能性が高い
血糖値の上昇と下降の振り幅が激しい食生活をしていると「糖化」を引き起こしやすくなります。糖化とは、余分な糖質が体の中のタンパク質と結合してAGEs(蛋白糖化最終生成物)と呼ばれる老化物質になる反応のことです。AGEsは分解されづらいという特徴があり、肌や骨などあらゆる細胞の老化を促してしまうのです。この糖化は糖尿病の前兆になります。腹持ちのいい食べ物を口にしたり、満腹感が続く食べ方をしたりしないと、太りやすくなるどころか、糖尿病になる危険性も高めてしまうのです。
腹持ちのいい食べ物を間食にとり入れる方法
腹持ちのいい食べ物を間食としてとり入れることによって、朝、昼、晩の食事まで活動的に働けるエネルギーになりますし、空腹感が少なくなって食事量が抑えられ、ダイエット効果も期待できます。その方法として有効なのが「ヘルシースナッキング」です。
ヘルシースナッキングとは
ヘルシースナッキングは、アメリカを中心とした海外のセレブや若い世代が取り入れている「健康的な間食習慣」です。健康的な間食をとり入れることで1回ずつの食事量を減らし、血糖値の急激な上昇を抑えて肥満度を下げる方法になります。
ヘルシースナッキングの方法
ヘルシースナッキングはいくつかのルールが設けられています。
・間食は1回200kcalに抑える
間食のカロリーを1回200kcalに抑えることがいいと専門家は提唱しています。
・間食の分のカロリーを1日の食事から減らす
間食分のカロリーを1日の総カロリーからマイナスすることが、ヘルシースナッキングの条件です。間食で3回分600kcalを食べるなら、朝、昼、晩の食事の合計から600kcalを引いて食事をしてください。
・腹持ちのいい食べ物を間食にする
間食は腹持ちのいい食べ物を選ぶことが理想です。胃に止まりやすく腹持ちがいいもの、食べ応えがあり満腹中枢を刺激するもの、細胞の原料となるタンパク質が豊富なものがよいでしょう。
・空腹前に食べる
空腹時に口にした食べ物は、体がすぐに吸収しようと働きます。これは血糖値を上昇させる原因のひとつです。朝、昼、晩の食事の間で、空腹を感じていない時間帯に食べましょう。
間食に向いている食べ物
食物繊維やタンパク質、ビタミン、ミネラルなどが豊富なものを選びましょう。
・ナッツ類
食べ応えがあり、食物繊維が豊富です。
・野菜やフルーツ
野菜やフルーツはビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。間食感覚で選ぶなら、うまみや栄養を凝縮した野菜チップスや砂糖不使用のドライフルーツもおすすめになります。ただし、フルーツには果糖が含まれていますし、ポテトやごぼう・かぼちゃなど糖質が多めの野菜もあるので食べ過ぎには注意が必要です。
・おやつバー
大豆などで作られたものはタンパク質や食物繊維が豊富で、食べ応えもあります。砂糖配合やカロリーに注意して選んでください。
・するめ
するめは何度も噛む必要があるため満腹中枢を刺激します。しかし、カロリーは高めなので1〜2切れくらいを目安にしましょう。