地球上に存在するミネラルは、全部で114種類。その中にある人体に必要不可欠な16種類のミネラルを「必須ミネラル」と言います。

人間が健康でいるためには「必須ミネラル」が必要不可欠です。必須ミネラルとは一体どんな働きをする栄養素なのでしょうか。
必須ミネラルとは、一体何?
この地球上には114種類のミネラルがあります。そのうち、人間の体に必要不可欠な16種類のミネラルのことを「必須ミネラル」と呼んでいます。
必須ミネラルの、それぞれの主な働きをまとめると次のようになります。
カルシウム(Ca)
主に骨をつくる。心臓や脳の働きの調整、筋肉や神経のリラックス効果など。
鉄(Fe)
貧血を防止する。酸素の運搬、代謝の促進、疲労の予防など。
マグネシウム(Mg)
タンパク質を合成する。エネルギー代謝の促進、血圧や体温の調整など。
亜鉛(Zn)
新陳代謝の促進、抗酸化作用、体内でのアルコールの分解、免疫力の強化、味覚の形成など。
カリウム(K)
体内の過剰なナトリウムの排出、むくみの防止、利尿作用、高血圧予防など。
リン(P)
カルシウムと結合して骨や歯を形成、細胞の修復、疲労回復など。
ナトリウム(Na)
血圧の調整、他ミネラルの吸収を助ける、体液のアルカリ度を調整する作用など。
ヨウ素(I)
甲状腺ホルモンをつくる。コレステロールを下げる、動脈硬化の予防など。
セレン(Se)
抗酸化酵素の主成分となる。ガンや老化の防止、免疫力を高める、更年期障害の改善など。
モリブデン(Mo)
血を造る作用。有毒物質の分解、糖質・脂質・尿酸の代謝促進など。
クロム(Cr)
糖質・脂質の代謝を促進。中性脂肪・コレステロール値の改善。糖尿病・高血圧予防など。
マンガン(Mn)
糖質・脂質・尿素の代謝促進、骨粗しょう症の予防、疲労回復、記憶力増加など。
銅(Cu)
貧血の予防、骨や血管の強化など。
硫黄(S)
毛髪・つめ・軟骨を育てる、有害なミネラルの排除など。
塩素(Cl)
胃の酸度を調節する。血液中のアルカリバランスを調節、肝臓の機能補助など。
コバルト(Co)
悪性貧血の予防、神経の調整など。
必須ミネラルは16種類
必須ミネラル16種類は、その必要摂取量から「主要ミネラル」7種類と、「微量ミネラル」9種類に分類されます。
主要ミネラルとは
人間が健康を維持するために必要なミネラルのうち、一日の必要摂取量が100mg以上のものを言います。主要ミネラルに分類されるミネラルは、以下の7つです。
カルシウム(Ca)・カリウム(K)・リン(P)・マグネシウム(Mg)・ナトリウム(Na)・硫黄(S)・塩素(Cl)
微量ミネラルとは
主要ミネラル以外の必須ミネラルのことを言います。微量ではありますが、人体にとって必要不可欠な栄養素です。微量ミネラルに分類されるミネラルは、以下の9つです。
鉄(Fe)・亜鉛(Zn) ・ヨウ素(I) ・ セレン(Se)・モリブデン(Mo) ・クロム(Cr) ・マンガン(Mn) ・銅(Cu) ・コバルト(Co)
ミネラルは身体の中では作り出せない
ミネラルは無機質であり、鉱石や金属の仲間です。体の中で生成することはできません。ミネラルを摂取するためには、ミネラルが豊富な土壌でつくられた食物を食べるなど、自然物から補う必要があります。
市販のサプリメントを使用するという方法もありますが、ミネラルには単体で摂っても体内に吸収されにくい性質があります。それゆえ、ミネラルを吸収しやすくする作用のある栄養素も一緒に摂取する必要があるのです。
ミネラルの種類によって、吸収を促進する栄養素は異なっています。例として、CPP(カゼインホスホペプチド)は、カルシウムの吸収率が低下するのを防ぐはたらきがあります。
ミネラルはなるべく自然の食物から、他の栄養素とともにとり入れることをおすすめします。