◇フランスでは国民の40%以上が利用する“漢方”のような存在
ホメオパシーは、欧米を中心に行われている代替療法の一つで、日本でいう漢方のような位置づけにあります。フランスでは国民の40%以上の人がホメオパシーを利用しているとされ、ヨーロッパの多くの国では西洋医学に基づく治療とともに保険が適用されています。
日本でもここ数年ホメオパシーを希望される人が増えてきていますが、受ける前にまず、どのような医療かを理解することが大切です。
◇自然治癒力を高めるホメオパシー薬は3,000種余り
ホメオパシーは約200年前にドイツ人医師のハーネマンが体系づけた医療です。ハーネマンはマラリアの治療薬のキナ皮(キニーネの原材料。マラリア熱の特効薬として17世紀~18世紀に用いられていた)を服用したときに、マラリアと同じような症状が自身に起こり、その後、その症状が消失するのを経験しました。このことから、ある症状を引き起こすホメオパシー薬(レメディ)は、それと類似した症状の治療になると考えました(類似の原則)。
たとえば赤たまねぎ由来のレメディは、たまねぎを切ったときのように鼻水や涙が出る花粉症に用いられます。また、不眠症の人にはコーヒー由来のレメディで対応できます。ホメオパシーでは症状を、病気を治そうとする力(自然治癒力)が働く戦略としてとらえているのです。
ハーネマンはキナ皮を最初に服用したとき、濃度が高く毒性が強かったことから、レメディをつくる過程で段階的な希釈(濃度を薄める)を行い、最小限の投与量を決めました。さらに、希釈の際に激しく振とう(振り動かすこと)することでレメディの“ポテンシー(効力)”が高くなることを発見しました。現在では3,000種類以上のレメディがあります。極度に希釈されていますので、からだにとって安全だと言えます。
◇さまざまな病気に対応可能 一時的に症状が悪化することも
従来の治療は症状を抑制したり取り除くことを目的としていますが、ホメオパシーではからだの持つ自然治癒力に働きかけ、“病気の人”一人ひとりに合わせて治療を行います。ぜん息、アトピー性皮膚炎、リウマチ、片頭痛、更年期障害、うつ病、がんなど、いろいろな病気に対応が可能です。ホメオパシーがどの程度役に立つかは、病気の重症度によります。また、従来の治療にホメオパシーを併用することもできます。
一方、レメディを服用すると症状が改善するだけでなく、一時的に悪化したり、ハーネマンのようにレメディによる症状を経験することがあります。このようなときに、その症状が病気によるものかどうか、どのような医学的対応をすべきかが大切になります。そのため、医学知識や臨床経験のない人が、病気の人にホメオパシーを行うことは危険です。
出典:ヤフーヘルスケアコラム