入院中の出会い | 2014年から膵内分泌腫瘍(NET)と共存〜しーちゃんブログ

2014年から膵内分泌腫瘍(NET)と共存〜しーちゃんブログ

アラフォー主婦
旦那さんと子2人の4人家族
10万人に1人と言われている膵内分泌腫瘍(NET)肝転移と診断
27年1月に肝臓、脾臓、膵臓の腫瘍摘出手術、6月に肝臓再発

27年1月29日に手術を受けました。

9時間の手術後、5日間は地獄でした。
このまま死んでしまうんじゃないのかと思うほど。。
痛み、不眠、息苦しさ、話せない、動けない、涙が出るばかり。。

6日目からはやっと動けるようになり、少しずつ体も回復。

徐々に食事も出来るようになったけど、食べると膵臓の辺りから陣痛のような痛みが。調べてもらうとドレーンの位置がズレていて、膵液がお腹に溜まっていると。悪さはしていないのでこのまま様子をみようと主治医から言われました。

入院中、隣のベットのご婦人と仲良くなりました。

歳の差はかなりありますが、とても明るくがん患者とは思えませんでした。
入院初日からテレビを見て大笑い。人付き合いがいいみたいでお見舞いの人がたえないし、看護婦さん、先生とはすぐに打ち解ける。

誰にでもズバズバ言ってしまう人ですが、何処か憎めない可愛らしい人でした。

仲良くなってからは、ベットをカーテンで区切っていますが、お互いのベットの間にあるカーテンを開けて洗濯バサミで止め、二人の部屋を1つにするようにして1日中ずっと話をしていました。

ご婦人のお気に入りの看護婦さん、先生が来ると、巻き込んで話をしてました。

鬱だった私は何処かへいって、病気前の私にすっかり戻っていました。入院生活が楽しいと思えるほどでした。

ご婦人は腹腔鏡手術だったので入院生活2週間の予定。順調に回復して退院の話をしていた矢先でした。
たった2、3日で体調がみるみる悪くなっていきました。

ダルい、動けない、食べられない、お漏らしをする、寝られない、嘔吐する、意識がハッキリしない。。日に日に別人のように弱っていきました。

隣で見ていて、何もしてあげられない自分に、休日、深夜に来てくれない主治医にイライラしてました。

平日の朝、やっと来た主治医が言った言葉は「ICUに行きましょう」と。

その時には一人で歩く事も出来ず、「ICUに行くのは嫌や。」と言ってましたが、血液検査の結果良くないので24時間監護出来るICUに行った方が本人も私達も安心出来るから。とのことで渋々了解していました。

行く前に私に「2、3日で帰ってくるから私の部屋はそのままにしといてよ。」と言い残して行きました。

それが最後に交わした言葉になりました。

私は、予定の1ヶ月より早くに退院し、外来に行くたびご婦人の様子を主治医に聞いていました。「頑張ってるよ」って。

3月に入り、ご婦人の弟さんから私にメールが入ってきました。

私は入院中、退院してもご婦人と付き合いたくてアドレス交換をしていました。

ICUに入ってからは携帯は見ていないと分かっていましたがメールを送っていました。

そこからの返信。

家族が学校、会社へ行った直後の早朝でした。「亡くなりました。」と。

その日はこれだけ泣くのか、と言うほど泣きました。家に一人でいるとまた鬱になりそうで、外に出て散歩しましたが涙が止まりません。

入院中、ご婦人が私に「笑ってないとあかん!」と言っていました。

それを思い出して、二人で話をした笑い話を思い出して必死に笑うようにしていました。

あのご婦人と出会わなければ、私は笑う事を忘れたままだったと思います。

絶対に忘れないし、また会いたいです。