今日はアスレティックトレーナーについてお話したいと思います。
JATO (ジャパン・アスレティックトレーナーズ機構)のHPからの抜粋です。公認アスレティックトレーナー(Certified Athletic Trainer; ATC)は、1990年アメリカ医学会(American Medical Association; AMA)によって認定された、理学療法士や看護士などと同じ準医療従事者です。公認アスレティックトレーナーは、スポーツ選手の急性および慢性の外傷・障害に対する処置やその他の健康管理分野において、高度な教育を受けており、かつ十分な経験を有しています。
公認アスレティックトレーナーは医師、その他の医療専門家、スポーツ現場の管理者、コーチ、両親と協力しながら、スポーツ選手の健康管理チームの必要不可欠なメンバーとして、高校、大学、プロスポーツ、スポーツ医学クリニックなどのスポーツ現場で活躍しています。公認アスレティックトレーナーの職務は以下の6つの領域にわたっています。
1. 外傷・障害・疾病の予防
2. 外傷・障害・疾病の認知・評価
3. 外傷・障害・疾病に対する救急処置
4. 外傷・障害に対する治療、リハビリテーション、リコンディションニング
5. 組織作りとその管理
6. 職業的質の向上およびアスレティックトレーナーの責務
具体的には、
・スポーツ現場で起きる負傷、疾病などを適切に評価し、応急処置をとる。
・スポーツチームや施設での緊急時の対応ガイドラインを細かく策定し、体制を整える。
・トレーニング方法や栄養、熱射病などに関して正しい教育活動を行う。
・怪我をしたあとに再受傷の可能性を低下させるための適切なリハビリテーションプログラムを提供する。
・練習中の怪我の危険性を少なくするための情報を、選手、監督、コーチらに提供する。
・怪我の予防のためのテーピングやパッド、装具などを提供する。
公認アスレティックトレーナーになりたい人は米国公認アスレティックトレーナー(ATC)になるためにはアスレティックトレーニング教育認定委員会(CAATE, The Commission on Accreditation of Athletic Training Education)により認定された大学のアスレティックトレーナー養成カリキュラムでの教育を受けて学位を取得し、BOCによって行われる試験に合格しなければなりません。
公認アスレティックトレーナーは以下の分野において必要な教育と技術を有しています。
外傷、障害の予防とリスクマネージメント
外傷、障害の病理学
外傷、障害の評価
一般的な疾病と障害
外傷と疾病の応急処置
物理療法
運動療法とリコンディショニング
薬学
心理学的介入
栄養学
ヘルスケアの組織作りと管理
職業的質の向上とその責務
資格維持のために継続教育単位を習得しなければならず、その義務を果たさない場合は資格を剥奪されます。現代のスポーツ現場ではたくさんの怪我が発生しています。特に学校では毎日何件もの怪我が起きています。独立行政法人日本スポーツ振興センターの平成19年度の統計によると、中学校では年間39万件、高等学校では21万件もの怪我が発生しています。また死亡事故も少なからず起きています。
しかしながら、これら学校などのスポーツ現場で起きる負傷、疾病、障害、死亡の事例を、学校の中のいったい誰が対応して応急処置をほどこしているのでしょうか。保健室に勤務する養護教諭、看護師でしょうか。それとも教科の教諭や部活動の顧問の先生なのでしょうか。そもそもその先生がたは負傷・疾病、障害を認知して評価し、応急処置をする教育を受けているのでしょうか。またその可能性を考えて事前に対処方法などを計画していたのでしょうか。実際はそうでない場合のほうが圧倒的に多いのではないのでしょうか。
問題なのは、これだけの怪我や死亡事例があるにも関わらず、それに十分に対処できる能力を持った人材がスポーツの現場に配置されていないということです。現状では休日や平日の夕方に部活動中におきた怪我に対応できる人材がいない、部活動の顧問で怪我に対応できる教育を受けている人がほとんどいない、CPR(救急法)の資格を持っている人がいるとも限りません。ほとんど対策もとられないまま野放しになっているのが実情です。
このような悲しい事故を少しでも防ぐためには、スポーツ現場で起きる負傷、疾病、障害を認知評価し、対応する「教育」と「訓練」を受けた公認アスレティックトレーナーが必要なのです。
こちらはアメフトのゲームドクターのコラムです。ゲームドクターとアスレティックトレーナーの役割についても少し触れていますので、ご覧下さい。
なんとなく、アスレティックトレーナーの仕事がわかっていただけたでしょうか?
Myko, ATC