2022年5月30日に日本医学出版から発売された『地域でできる自殺予防~基礎からわかるゲートキーパーの役割』を読みました。著者は、2021年より一般社団法人髙橋聡美研究室を立ち上げ、自殺予防活動に取り組んでいる髙橋聡美さんです。

日本の子ども・若者の死因で最も多いのは自殺です。他の国は「事故」が1位となっていますが、「自殺」が1位なのは、G7では日本だけだそうです。また、自殺の原因で最も多いのは「うつ病」で、自殺の原因となる健康問題の4割が「うつ病」だそうです。

本書では、「死にたい」という人への対応について、自殺未遂時の家族・支援者のケア、リストカットを繰り返す人の理解、死別を体験した人への接し方などが書かれています。

最後は、地域でできる自殺予防について書かれています。自殺予防というと、死にたいとか、生きづらさとかそういう深刻な話だけかと思っている人が多いかもしれません。生きづらさへの対策は自殺対策の根幹だと思いますが、その延長にあるのは、みんながそれぞれの個性を大事にしながら、笑いながら生きる社会です。みんなが地域のゲートキーパーになることが自殺予防につながるのだと思います。