映画『グラン・トリノ』オフィシャルサイト
イーストウッドの半生を丸ごと封じ込めた傑作
【解説&ストーリー】
監督を兼ねるクリント・イーストウッドの映画出演は'04年のオスカー受賞作「ミリオンダラー・ベイビー」以来。本作で役者業引退を宣言した彼の、俳優としての集大成的作品となっている。
朝鮮戦争の帰還兵で、長年勤めたフォードの自動車工場もリタイアしたウォルト(クリント・イーストウッド)の日常は同じことの繰り返し。妻を亡くし、息子たちとも疎遠。近隣はアジア系やヒスパニック系の移民が増え、若いゴロツキが我が物顔で通りを歩く。偏屈で頑固な性格ゆえに愛犬以外に心を許せる相手もおらず、人生の終焉をただ待つばかりだった。ある晩、何者かが彼の自慢の愛車グラン・トリノを盗みにくるまでは・・・。
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【感想】
クリント・イーストウッド監督の「チェンジリング」もそうでしたが、物語構成が非常に分かりやすくてかつ、重厚です。映画の世界にどっぷりはまらせてもらえる秀作でした。
朝鮮戦争に従軍した経験を持つ頑固な老人がアジア系の少数民族と交流を持ち、いじめから暴力に発展した問題に関与して壮絶な解決方法を採るに至る過程…そんな物語を通して人間の尊厳や本当に大事にしないといけないものは何なのか?を鮮やかに問題提起し、疑似体験した観客を考え込ませる力がある作品でした。老人の人生が何を象徴するのか?、アメリカという国の現状など切り口が無数にある極めて懐が大きな作品です。
映画自身は、クリント・イーストウッドの映画人生をみているような感じがしました。舞台設定は一匹狼の老ガンマンが悪党にいじめられている村人を助けるといった西部劇。悪党に対峙するときはダーティ-・ハリー。そして、「ミスティック…」「ミリオン…」など近年の作品に見られる生死観等々。
最後は必殺仕事人になって落着かな、と思ってしまったのですが、予想外の展開でした


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