次の日、携帯が鳴った。




浅〇からの返信だった。




『メール読ませていただきました。



 以前の電話の件以降もトシさんは奥さんもお子さんもいないって言い切ってました。



 ですが色々と信用性に欠ける事がありまして、今は一切連絡を取ってませんし、会ってもいません。



 もちろん今後お付き合いする気も全くありません。



 トシさんご本人に聞けばわかると思います。



 ご家庭の幸せを奪ってしまい本当に申し訳ありませんでした。



 私が言うのも失礼だし、申し訳ないのですが、トシさんは今後も別に好きな人が現れた場合、同じことをすると思います。



 奥様の為にもそれだけは伝えさせてください。



 ですが本当に、もう一切トシさんとは関わらないと決めているのでご安心ください。』




読み終えた後、このメールの一文一文と、トシのこれまでの言動を照らし合わせた。




ジグソーパズルか穴埋め問題でもしているみたいに、頭の中に少しずつストーリーが組み立てられていく。




「電話の件以降も、妻子はいないって言い切ってた」




やっぱりあの後も、二人は連絡を取り合ってた。




だけど……




私や子供達のこと隠してって、トシはどういうつもりなんだろう……?




いくら隠しても、彼女と結婚する時に戸籍でばれちゃうのに……?




…………………




………………




……わからない




「信用性に欠ける」




きっとトシは、彼女に対しても色んな場面で嘘を重ねたんだろう……。




私にも彼女にも嘘をついて……




そして、その嘘を突き通すためにまた、嘘をついて………




何のための嘘………?




彼女を守るために、私に嘘をついてるんだと思ってたけど………




彼女にまで嘘をつくって………




やっぱりわからない……




ただ、このメールを見る限り、彼女の方から別れることを切り出したんだろう……




そしたらこの間のトシの、彼女に宛てたメールの内容もわかる。




彼女から別れ話をされて、でも別れたくなくて……




彼女を失いたくなくて………




だけど、彼女は別れることを選んだ……




トシは……?




彼女に見捨てられて、




「それじゃあ」って私に戻るつもりなんだろうか……?




「大事にしたい」って思った彼女を、簡単に忘れられるんだろうか……?




トシは何を望んでいるんだろう……




トシが何を求めているのか、私の知らないトシと彼女の時間に、答えに繋がる何かがあるの……?




……………




…………




トシが彼女と別れて、それで、私は…………?




離婚を決意したはずの私の心が、少し揺らいでいることに私自身驚いた。




トシが戻ってくるなら、やり直せるかもしれない。




そんな思いが心をよぎった。