こんにちは。アイビーおじさんです。

所用により、新潟に行く機会を得ました。折角ならということで、今回は上越新幹線の最速列車として名高い「とき311号」を使うことにしました。

 

・停車駅がまちまちな「とき」

JR東日本の新幹線は、愛称を列車の行き先によって使い分けており、例えば山形方面なら「つばさ」、北陸方面なら「かがやき」「はくたか」など上手いこと使い分けられています。上越新幹線も例外ではなく、越後湯沢・ガーラ湯沢までのものを「たにがわ」、それより遠くに行くものを「とき」としています。が、特に電車の停車駅は関係なく方面だけで「とき」と名付けているために格差が生じています。

今回乗車する「とき311号」の1本前、「とき309号」は途中すべての駅に満遍なく停車するのに対し、「とき311号」は大宮を除くすべての駅を通過してしまいます。いくらなんでも速すぎでは、と思うところではありますが、2013年まではその大宮にすらも停車せずに文字通りノンストップだった「Maxとき313号」がありました。現在ではE2系の担当になって車両の性能が上がったことで大宮に停車できるようになりましたが、加えて上野〜大宮間の速度を130km/hにスピードアップしたことで完全ノンストップ時代よりも1分早く新潟に到着するようになっています。現状の所要時間は1時間36分ですが、上越新幹線は今後E7系を使って275km/hまでスピードアップする予定があるらしく、この先まだまだ所要時間を短縮する余地があります。

 

・さて、東京駅へ

東京駅に行くと、先発の「とき309号」がいました。先述の通り、309号は各駅停車です。これに乗れば新潟まで早く着けるのでは・・・と思っても油断してはいけません。

この時間に見てみると、20・21番線から出発する新幹線のメンツが中々に濃いんです。

 

・とき309:終点まで各駅に停車

・やまびこつばさ131:上野通過、大宮を出ると福島までノンストップの山形新幹線最速列車 やまびこも途中大宮・福島以外無停車

・つばさ129:E3系単独

・とき311:上越新幹線内ノンストップ

 

いやぁなかなか濃い顔ぶれですなぁ!?

 

 

さて、311号は20番線からの出発。E2系による運転です。コンセントが付いているかは運次第。今回は付いてませんでした。大宮にしか停車しないため、「大宮から先、終点の新潟までとまりません。上越新幹線内の途中駅ご利用のお客様は、後続のとき313号も併せてご利用ください」とアナウンスされていました。

 

313号は本庄早稲田・上毛高原・浦佐以外の各駅に停まりますし、その313号を同じホームからの出発にしているので、無駄な移動をしなくても済むようになります。自由席利用者への気遣いがすばらしいですね。

 

早速乗車。シートピッチは割と広く、車で言うなら高級セダンと同じくらいの広さはあります。最新のものでなくとも座り心地は割と良好で、編成によっては登場から20年経っている今でも十分通用するスペックです。

東京を出発すると、いつもなら最初の案内は軽めに済まされ、上野を出たら詳細な案内がなされるというのがルーティンです。ところがこの列車は上野も通過するため、東京を出たらいきなり詳細な案内がなされます。停車駅があまりに少ないため、「途中、大宮、終点・新潟に停まります」と、とんでもなく短い案内になります。英語でも「This is the TOKI superexpress bound for Niigata, also stopping at Omiya.」としか言いません。

アナウンスがされているうちに、上野を通過。この辺はまだ在来線のようなゆったりとした走りです。大体80km/hくらいじゃないでしょうか。

しばらくして車内販売が回ってきたと思ったら、あっという間に大宮に到着。外ではしきりに「新潟まで停まりません」とアナウンスがされていて、停車時間も短めにすぐ発車。ここからは本当に新潟まで途中一切停まりません

大宮からが本領発揮な区間で、一気に最高速の240km/hまで到達します。途中駅すべてを勢いよく通過していきます。大宮を出てすぐ、「次は終点 新潟です」とのアナウンスが流れました。いやマジで?

北陸方面との分岐点で鉄道の要衝、高崎も当然通過します。「かがやき」が高崎通過なのはよく知られた話ではありますが、「とき」の高崎通過は比較的珍しいです。この辺りから少しスピードが落ちており、高崎通過の時点では180km/hくらいまで下がっていました。不自然に速度を落としているので、少しだけ気になりますが・・・

上毛高原で先を走る「とき309号」新潟行きに追いついてしまいました。なんだこの衝撃的なまでの速さは!物理的にはそんなにスピードは出ていない割に、追いつくのが早すぎます。東京の時点で20分差だったはずなので、その差を新潟県に入る前に完全に詰めてしまいました。

 

冬はスキー客で賑わう越後湯沢も通過。ちなみにこの「とき311号」ですが、ノンストップで走行する距離が国内で2番目に長い列車になります。一見320km/hで「はやぶさ・こまち」が爆走する大宮〜仙台(321.5km)の方が長く見えますが、実はそれよりもとき311号の大宮〜新潟の方が長く、ノンストップ距離は334.1km。なお国内最長は東海道新幹線「のぞみ」の新横浜〜名古屋間の337.2kmになっています。

この列車のもう一つのハイライト、それが長岡通過。長岡を通過する定期列車はこれと上りの「とき312号」(途中停車駅は311号と同じく大宮のみ)だけで、事実上長岡駅の通過線はこの列車のためだけに存在しているとも言えます。ここまで東京から79分。各駅に停まる309号の場合、90分かけてようやく越後湯沢なので、如何に311号が速いかが分かると思います。なお、「とき312号」は311号よりも2分多くかかります。

そうして信濃川を渡って10時48分、東京からたったの1時間36分で、とき311号は新潟駅に到着。酒田行きの特急「いなほ3号」と対面接続をするため、両側の扉を開けて「とき311号」の旅は終わりを告げました。

正直この列車に乗って思ったのは、「最速だから何だ」ということです。東京〜新潟間最速1時間36分、という値は「上越新幹線はこんなに速い乗り物なんだ!」とアピールするだけに過ぎませんが、むしろどれだけ速く走ってお客さんに高速な乗り物と認識してもらえるか、その限界に挑戦するという意味でもこの「とき311号」のような存在が必要なのだろうなと思いました。

まぁ、新潟駅で降りて「あっ、バスだ!」と思ったらどう見ても元神奈中なのがバレバレなのがいたり、この後レンタカーを借りたりしましたが、それはまた別の時にお話したいと思います。ではでは。