こんにちは。アイビーおじさんです。


『《旅行記#10》自主夜勤:E723系を追え』こんにちは。アイビーおじさんです。2026年4月17日の夜。この日、山形県では鉄道愛好家を賑わすイベント的なのがありました。それが、E723系の山形配給輸送。…リンクameblo.jp


4月のゴールデンウィーク目前に山形にやってきた山形線の期待の新車、E723系5000番台。

9月19日についに営業運転を開始することになり、初日から追いかけてみましたので、そのレポートになります。


・これまでの山形線の車両事情

奥羽本線(山形線)の普通列車の車両は、山形新幹線の開業と同時に福島〜山形間向けに719系5000番台が、山形〜新庄間の延伸時に701系5500番台がそれぞれ登場し、顔ぶれが変わることなく現在に至っています。


運用範囲も当時から変わらず、主に719系が福島〜山形、701系が山形〜新庄の担当なのもおおよそ変わっていません。特に、福島〜米沢間のいわゆる「板谷峠」区間では719系のみが専属で運用されており、701系は車体が軽く空転しやすいからか、この区間には乗り入れません。


ところが、719系の登場は1991年。経年35年を迎えており、機器が特殊なこともあってか東北本線からは既に撤退しています。訓練用の1編成を除き狭軌用の0番台は全車解体され、その部品を糧にここまで食いつないできたとも言われています。


そこでようやく置き換えが計画されることとなり、719系を置き換え、かつ板谷峠区間にも対応した新車としてE723系が投入されることになりました。

製造数が719系と同数の2連12本=24両と少ないことに加えて標準軌用という変わった規格の車両のため、電気式気動車のGV-E400系をベースに製造されています。


・初日の運用

さて、このE723系ですが運用初日からかなり攻めた運用となっており、シルバーウィークの初日から運用に投入し、しかも早朝からいきなり板谷峠越えをする計画になっています。

というわけで、その運用がこちら。


山形6:28→420M→福島8:01

福島8:08→431M→米沢8:54


事前に提示された初日の運用はこのようになっており、山形と福島でそれぞれ出発式が行われることになっています。よっていきなり板谷峠を越えます。

結果的にはこの日、451M(福島17:43→米沢18:30)までは本来の運用通りに運転し、その後448Mで来た719系と入れ替えて455M(米沢18:40→山形19:25)で山形に帰っていったようです。


・朝の山形駅

早朝の山形駅。人もまばらですが、やはり注目度はそれなりに高いようで朝早くから人が集まっていました。

山形駅では早朝の列車に合わせて出発式が行われることになっており、ホームの先端では花笠音頭の練習が行われていました。


6:10、ついにE723系が山形駅に入線。担当はトップナンバーのB-1編成。福島方面へ乗り入れるため2両編成での運転で、デビューを記念したヘッドマークがついていました。

ヘッドマークがある位置には帯がなく批判の的でしたが、広大な空きスペースゆえこういう使い道があるんだと感心しました。


貼り方が少し雑でよく見るとシワができているのを見るに、車両センターで自分たちで貼り付けたのかもしれません。

ヘッドマークについては事前になんの予告もなかったので、粋な計らいだったのかなと。


満員というほどではなく、それなりに空席がありました。いつもの土曜日と変わらない混み具合だったように思います。

朝一番の列車であるためこの列車への接続列車が「つばさ122号」だけしかなく、発表もかなり急だったのでそこまでの混乱には至らなかったものと思います。


車内の様子。こちらはトイレのないクモハE723-5001の車内で、719系とは異なりオールロングシートです。

車体の大きさに対して窓が小さいだなんだ言われていましたが、いざ乗ってみれば案外閉塞感はありません。



側面の方向幕。表示内容はHB-E220系と全く同じで、種別と行先を交互表示する形式です。

GV-E400系・HB-E220系と同じく、3色LEDを採用しています。


前面の方向幕。こちらも種別と行先が交互表示されます。


車内の案内表示。バス用のディスプレイがそのまま積まれていますが、719系ワンマン車や701系と異なるのは車掌が乗務していても動くこと。自動放送も常に流れます。ただし、福島〜米沢の放送パーツが無かったためか一から収録し直したようで、初めて聞く放送でした。

そして、各無人駅で鳴らす用の発車メロディも用意されています。上り列車がWater Crown、下り列車がGota del Vientという選曲。首都圏みたいにツーマンでも使えるようで、この日下り列車は峠駅で堂々と発車メロディを流していました。


(1)山形6:28→福島8:01 420M 普通 福島行

6:30、新庄からのつばさ122号からの接続のため、定刻より2分遅れて山形駅を出発。花笠音頭と多くの関係者のお見送りを受けながら、一路87kmにおよぶ福島への長旅が始まりました。

通常は米沢と山形で系統分離されていますが、この420M列車は唯一米沢駅を越えて福島まで直通運転するロングラン列車です。普通列車としては庭坂・笹木野の2駅以外において初電となります。

つばさ122号の後を追うように走りますが、後続の最速達列車「つばさ124号」には追いつかれることなく福島まで先着します。


朝の山形を、全速力で駆け抜けていきます。従来の719系や701系よりも静かな走りで快適ですが、それなりに爆音なことは変わりません。


7:16、山形県第2の都市・米沢に到着。米沢では乗務員が交代し、ここからいよいよ峠越えです。


関根を出ると、いよいよ最大38/1000の急勾配を登っていきます。JR東日本管内に現存するもので最も急な勾配です。

719系と比べると余裕の走りで、板谷峠も楽々走破。それもそのはず、E723系は板谷峠を越えるために生まれた車両です。難なく坂を登り、関根〜峠の上り急勾配で遅れを回復するほどの余裕を見せました。


少し分かりづらいですが、2024年より通年通過駅となっている大沢を通過。ついにE723系がこの大沢駅に停車することはありませんでした。


峠駅では、普通列車での恒例イベントである「峠の力餅」の立ち売りがいつも通り行われています。

が、今日からはそこにE723系。峠駅にも新たな時代がやってきました。


庭坂の大カーブを曲がり、福島の市街地へ。余裕で板谷峠を越えてくれました。


終点・福島に到着。ここでも出発式が行われるようで、ホームではミニわらじまつりでのお出迎え。

若干遅れていたため慌ただしくなりましたが、わずか7分の折返しで米沢へ戻ります。


(2)福島8:08→米沢8:54 431M 普通 米沢行

多くの人に見送られる中、福島を出発。

この福島からの下り一番列車には東京〜盛岡間からであれば新幹線で間に合うため、山形に比べてギャラリーが多かった印象。この列車には鉄道系YouTuberのかんのさんもお乗りになられていました。


ちなみにこちらが431Mに乗車されたかんのさんの動画です。こちらも是非よろしければご覧ください。


福島駅を出て少し、笹木野駅の手前でさっきまで後続列車だった山形新幹線の上り最速達「つばさ124号」とすれ違います。

基本的に山形線の普通列車は新幹線には抜かされず、各列車の終点の駅まで逃げ切ります。


再び山を登り切り、峠駅へ。板谷峠区間ではこの列車を最後に、しばらく普通列車が走りません。やはり峠の力餅の立ち売りを行っています。ちょうど上り線では臨時の「つばさ74号」が通過中です。

そうして再び山を越え、終点の米沢に到着。ここでしばしの休息です。


ということで、山形エリア普通列車の期待の新星、E723系5000番台の運用初日の様子を見てきました。

今年度中に11編成が導入されるようで、719系が見納めになる日もかなり近いです。