こんにちは。アイビーおじさんです。

以前にこちらの記事で紹介した新潟行き最速列車「とき311号」。この列車にもう一度乗る機会がありましたのでレビューします。


・以前と変わったところ

以前乗ったときはE2系10両編成での運転で、ここまでの速達列車を担当することはなくなっていたことから事実上E2系最後の華となっていました。東京〜新潟間を1時間36分で結び、途中停車駅は大宮のみ。異常なくらい速かったのがこの列車の特徴でした。というか上越新幹線、速い便は極端に速いのが面白いところ。以前は東京〜新潟ノンストップとかいう、もはや何をしたかったのかわからない列車を使ってたりしましたからね。

そして2023年3月改正で、元から極端に速かった311号はさらに速くなって帰ってきました。

この改正で上越新幹線からE2系が撤退したため、全列車E7系の受け持ちに変わりました。そして、上越新幹線が275km/hへスピードアップ。これにより311号は東京〜新潟間を1時間29分で結ぶように。ついに1時間半を切りました。


・では乗ってみるとするか

東京駅23番線。最速の「とき311号」はここから9:12に出発します。

この列車の出発前、隣の22番線から8:52に先行の「とき309号」が、20番線から9:04に北陸新幹線「あさま605号」が出発します。この2本は後でまた出てきます。

乗り込むと車掌さんのアナウンス。「この列車は上越新幹線の最速達列車です。途中の停車駅は大宮のみとなっております。大宮を出ますと終点の新潟まで止まりません。」この列車の異常さが垣間見れますね。

列車は東京を出発すると、次の駅・上野を通過します。最速達便が上野を通過するのはわりと有名な話で、この列車も例外ではありません。

9時33分、大宮に到着。駅の電光掲示板には「この列車は新潟まで止まりません。」と出ています。このような表示は次の停車駅が終点で、なおかつそこまでの間に通過駅がある場合に出てきます。が、上越新幹線の場合はこの「とき311号」の場合でしか見ることができません。

ここから先は新潟まで275km/hの全速力運転。東北新幹線の分岐までは200km/hくらいで走り、カーブを抜けると275km/hにスピードが上がります。

ほとんどスピードを落とすことなく、熊谷・本庄早稲田・高崎を通過。高崎で先を走る「あさま605号」を追い抜きます。

あさま605号は東京駅を8分早く出発しており、大宮〜高崎間ノンストップ。ですが、311号にフルスピードで高崎を通過してもらうためだけに高崎で5分停車することになっています。

高崎〜上毛高原で160km/hの速度制限があるためやや勢いが落ちますが、次の駅・上毛高原では東京を20分早く出た「とき309号」を追い抜きます。309号は311号の真逆の存在で、新潟まで各駅に停車します。新潟以外の駅へは先着する309号と、新潟にのみ最速で行ける311号。真逆の性格の列車同士で追い抜きを行い、フルスピードで大清水トンネルへと突っ込みます。

以前はこの大清水トンネル内の下り坂を使って275km/h運転が行われていましたが、今は車両の性能が良くなったのでそんなことをする必要はなく、この先は新潟まで減速することなく引き続きフルスピードで走っていきます。上越新幹線は直線的な路線構成で勾配も上越国境くらいしかなく、比較的線形の良い路線ではあるのですが、そこまでの高速性能が求められません。そのためこのように全線をフルスピード出し続けるような「はやぶさ」的立ち位置の速達列車を勾配線区向けのE7系が担当するのは実はかなり珍しかったりします。

とき311号もう一つの特徴、それは「長岡通過」。

長岡駅には基本的に全列車が停車するものの、最速達便である311・312号だけは長岡駅を通過します。このせいでとき号の全てに共通する特徴が新潟停車だけになってしまいましたが、裏を返せばそうまでして新潟への最速到達タイムを稼ぎたいということなんです。

長らくフルスピードで走ってきた「とき311号」は、東京駅を出発してから1時間29分後となる10時41分、終点の新潟駅に到着します。

実はこの列車のもうひとつの役割は、羽越線方面の特急「いなほ3号」への接続。1便前の「いなほ1号」への接続列車は朝一番の「とき301号」になり、東京から乗るのは厳しいものがあります。その点、この列車は「いなほ3号」に接続して酒田までの最速となるため、実は新潟で「いなほ3号」に乗り換える方が多いんです(ただし、実は鶴岡以遠へは「こまち1号」→「いなほ8号」が最速になる)。このため、新潟駅では「のりかえホーム」を使って対面接続を行っており、わずか7分の接続で「いなほ3号」を出せるようにしているのです。


いかがでしたか?上越新幹線の最速便「とき311号」、その異様さを感じていただけたでしょうか?