こんにちは。アイビーおじさんです。
カーシェアには色々な車種がありますが、最近はマツダ車がたいへん人気です。ここ数年で商品力を上げてきているのですが、今回はそのマツダの旗艦車「CX-5」をご紹介しようと思います。
・旗艦SUV、その素性は
・毎度いつものことなので
マツダの癖ですが、同じ車種でもエンジンラインナップが多数あるのはこのCX-5も同じ。主に以下のようなバリエーションがあります。
(1)SKYACTIV-G 2.0
廉価グレードに搭載される排気量2Lのガソリンエンジン。汎用性が高く、現行モデルでは「MAZDA3」「CX-30」「MAZDA6」「ロードスターRF」などに搭載されているほか、撤退したミニバンの「プレマシー」や「ビアンテ」でも最終型にはこのエンジンが搭載されていました。カレコのCX-5もこのエンジン。しかし決して重苦しくはなく、走りの楽しさを味わうにもちょうどいい塩梅に仕上げてくれています。
(2)SKYACTIV-G 2.5
途中から追加され、アテンザにも搭載された上位の2.5Lガソリンエンジン。排気量が上がって重苦しさはなさそうです。走りをもっと楽しみたい人向けでしょうか。CX-5のメイングレードです。
(3)SKYACTIV-G 2.5T
上述の2.5Lガソリン車にターボを追加したモデル。ガソリン車のまま強大なトルクを実現しています。NA(自然吸気)車を好むマツダとしては珍しいターボ車ではあるものの、極力NA車に近い運転特性に仕上げられているとか。2018年に設定されたものの、2021年の商品改良でラインナップから消滅しました。
(4)SKYACTIV-D 2.2
これこそCX-5の本命のディーゼルターボエンジン。トルクの大きいディーゼル車にターボまで付けただけあって4.0L・V8のガソリン車に匹敵する450N·mのトルクが実現されています。これはレクサスのSUV「RX300」や「RX450h」の1.3倍に相当しますからびっくり。それだけでなく、他のディーゼル車なら必要になる尿素水(Adblue)の補給が必要ないことから維持費も安いです。あまりに性能が良くスポーティーな仕上がりだったことから、2021年の商品改良で「Mi-Drive」というドライブモード切替え機能を追加した際、ディーゼル車だけSPORTモードが追加されなかった(しかもその理由が「元々スポーティーなエンジンだから」だという)ほど。
で、中の人は免許取得からまだ1年経ってないのでカレコのCX-5は借りられないんですが、なんとか別のところから借りてきました。
※なお、2022年8月3日で免許取得から1年経ったので、現在はカレコでも借りられます
ぼく「遅くなってすみません!貸出の手続きをお願いします!」
店員さん「お待ちしておりました。CX-5のお車を用意してございます」
えぇ、借りてきましたとも。タイムズカーレンタルで。
カーシェア会員(とタイムズクラブ会員)なら常時25%もの割引が利く、タイムズのレンタカーです。ここでCX-5を借りてきました。しかもディーゼルエンジンの個体です。グレードは恐らくですがベースグレードの「XD」。SUVの風格漂う大ぶりなボディですがクロスカントリー的なものではなく、都市型SUVというイメージがあると言われます(まぁこれに関しては2021年の商品改良で特別仕様車「Field Journey」を追加したことで少しはマシになった模様)。確かに、山道とか走るようなイメージには見えません。それにしてもディーゼルのSUVってマツダ以外の国産車では三菱・パジェロとかトヨタ・ランドクルーザーとかくらいのものなので、ちょっと珍しい存在です。
ここで、CX-5の大きさを見てみると、全長4545・全幅1845・全高1690と、かなり大きいことが分かります。が、これでもミドルサイズのSUVにしては小さいほうです。競合にはトヨタのRAV4・ハリアー、ホンダのCR-V(生産終了)、日産のエクストレイル、スバルのフォレスター、三菱のアウトランダーがいますが、いずれも全長は4.6mを超えています。それどころかセグメント的には下位にあたるMAZDA3のセダンよりも100mm以上短いので驚きです。ボンネットは長いですが全般的に見ると思ったより短く、思いのほか扱いやすそうなサイズ感です。MAZDA3ファストバックやCX-30が運転できる方なら大丈夫でしょう。
後日カレコの新型ハリアーを借りて試してみたのですが、ハリアーはボンネットが長く、体感ですがCX-5の方が乗りやすく感じます。そのためハリアーに乗るならまずCX-5で練習を積んでみることをおすすめします。
運転席をご覧に入れます。ドライバーが適切な姿勢を取りながら運転を楽しむことを最大の目的としてデザインされています。カーナビはコマンダー式で、シフトレバー手前のコマンダーで操作するタイプです。2020年末のモデルから画面が横長化されたとともにタッチ操作ができなくなっていますが、この車両はギリギリタッチ操作ができる世代の個体でした。人が手を触れる箇所には積極的に金属メッキ加工を施してあり、少しでも上質感を演出しようとするマツダの心意気が見て取れます。
メーター。2020年末までのモデルでは、タコメーターとスピードメーターだけアナログ式、その他インフォメーションパネルがデジタル式で設けられています。ただ燃料計など、デジタルメーターに表記されるものもアナログ風の表示にされていて、このデザインもなかなか凝っていて統一感があるものです。これが2020年末以降のモデルの一部ではMAZDA3と同じ新世代車準拠のものに変わりますが、カレコの個体含め廉価グレードではこっちのアナログメーターになっているようです。CX-5はMAZDA3の1つ前の世代、すなわち3代目アクセラの世代の車ですが、MAZDA3に投入した新機軸のほとんどはすぐさまフラッグシップのCX-5にも注ぎ込まれているため「旧世代感」は全くありません。
リアのエンブレム。個体によってエンブレムのフォントが全然違いますが、後期のものはMAZDA3とフォントが揃えられています。よってこの個体は後期だったわけですが、この時実はお願いしてもいないのに4WDの車を用意してくれました。そのため車種名のエンブレムの下に小さく「AWD」と書かれています。
こちらは「SKYACTIV-D」のエンブレム。こちらもMAZDA3で新たに採用されたエレガントなデザインのフォントのものがそのまま使用されています。
後ろから見てみます。後ろから見るとかなり大きく見えます。ブレーキランプの光り方もかなり凝っています。
レンタカーながらもアルミホイール装備ですが、こちらについては最廉価グレードの標準装備のもの。上位グレードではインチアップしますが、これでもまぁまぁカッコイイです。
・CX-5の走りを見てみる
というわけで、友人とこの車を借りて沼津へ出かけました。とその前にレビューもできるように、一般道をゆったりとクルージング。借りたタイミングが大雨の夜だったので、雨が止んだ翌朝走り込みました。
一般道では、大してガソリン車とフィーリングは変わりません。これまでに1.3L・1.5Lガソリンのデミオと1.5LガソリンのMAZDA3に乗っていますが、感覚としてはデミオに近いです。むしろ純正ターボながらもNA(自然吸気)車に限りなく近いフィーリングで、意のままに操れる感覚もそのまま。ガソリン車と間違えるのではないかというくらい、平地では安定した走りを見せてくれていました。恐らく、ガソリン2L車でも意のままに操れるフィーリングに仕上がっているでしょうし、排気量が小さいレンタカー向け車両だからといって手抜きはしていないはずです。
ディーゼルの場合、特有のカラカラとした動作音や振動が気になるところですが、見事にかき消されています。とても静寂性は高いです。
後日カレコで改めて2Lガソリン車を借りて走ってみました。レンタカー専用グレードなのか?と思いきや違うようで、カレコの個体は(少なくとも2021年改良型以降は)20S Proactiveだと思います。
2Lのガソリンエンジンとて決してパワー不足ではありません。MAZDA3の15Sよりはパワーを感じることができ、少しだけ多めに踏み込んでやることで軽快に加速してくれます。むしろこれを知ってしまうとMAZDA3の15Sが結構無理やり回してる感があるような気がしてくるんですよね。こっちは回すけど無理のない大トルクでちょうどいい走りって感じです。なお自重はCX-30の20Sよりも人2人分重いだけ。走りに大した差はありません。
ちょっと注目すべきなのが2列目シート。高級セダンなら普通にあるエアコンの吹き出し口がちゃんと設けられていますし、シートピッチも非常に広く過ごしやすいです。また、2列シート車にしては珍しく簡易リクライニング機能を設けています。角度はわずかですが、そこそこ快適です。さらに、2列目シートの中央の肘掛け内にはなんとUSBポートが2個装備されており、1列目シートの2個(うち1個は「Android Auto」及び「Apple CarPlay」用)と併せて(4人以内なら)全員がUSBポートを使うことができます。革張りシートの「L Package」か「Exclusive Mode」ならエグゼクティブも載せられそうですが、レンタカーやカーシェアの車はファブリックシートなのでちょっと遠慮。ここは大学生が3~4人でキャンプなどの長距離のお出かけに使ってみるのが最適です。
というわけで今回は、マツダのフラッグシップSUV「CX-5」をご紹介しました。思ったよりも運転しやすくて、快適でトランクも大きく、遠出に最適なSUV。皆さんも是非一度乗ってみてください。