はいはいはいはい、皆さん、こんにちは。アイビーおじさんです。

11月27日。この日、成田エクスプレスの車内がテレワーク用のワーキングスペースとして開放されているとのことで、私は両国駅へと赴き、仕事をしてみることにしました。
 
・まずは今回の企画の概要をご説明
停車中の特急電車の車内をテレワークに活用できないか、という実証実験のため、両国駅の3番線(臨時ホーム)に特急「成田エクスプレス」のE259系を据え付け、その車内でテレワークしてもらおうという企画が11月27日・11月28日の2日間行われました。列車をテレワークに使えるという、とても面白いイベントです。
 
・使い方は

JR東日本が展開する駅ナカオフィス「STATION WORK」のサイトから簡単に予約出来ました。予約方法は他の駅ナカワーキングスペースを予約する時と全く同じです(そのため、詳しい説明は今回は省略します)。今回は14:30から15:30までの1時間使おうと予約しましたが、ちょっと早く着いたので14:00から14:30までの回を追加で予約しました。
 

で、両国駅の3番ホームは改札内にあるため、利用には別途両国駅を有効区間に含む乗車券類や入場券が必要でした。この日実は通学に伴い「東急東京メトロパス」を購入しており、東京メトロならば何回でも乗り降りが自由だったのですが、両国駅付近には東京メトロの路線は通っていません。そこで私は今回、新日本橋から秋葉原までの普通乗車券を購入しましたが、いわゆる「大回り乗車」の特例を利用し、錦糸町・両国回りで利用することにしました。この大回り乗車の特例というのは、東京近郊区間の中であれば(一部の例外を除き)同じ駅を2回以上通らなければどのような経路をとってもよいという特例のことで、これをうまく活用すればちょっとした鉄道旅行が楽しめる、というものです(ただし、途中で一旦改札を出ることはできません)。例えば、山手線の東京から神田までの運賃は140円(IC136円)ですが、山手線を逆回りに乗車して遠回りするのもOKですし、羽沢横浜国大から170円切符で武蔵小杉まで移動してから横浜まで引き返し、その後京浜東北線で鶴見まで再び引き返すのもOK。
 

両国駅3番ホームへの入口。歴史ある臨時ホームのため、通路がギャラリーになっており、イベント時にのみ開放されます。ちなみに、私が入る少し前までテレビカメラも入っていたようです。また数多くのネットニュースが公開されたことからも、今回の試みは画期的なものなのであったことが分かります。
 

受付を済ませてホームに上がると、いました。普段我々が見かけるE259系「成田エクスプレス」です。実は私、この時点で成田エクスプレスに一度も乗ったことがありませんでした。しかし、武蔵小杉駅で散々見かけているのでだいぶ見慣れた存在であり、本来の運用では入線し得ない両国駅にいることを除き特に珍しいところはありません。ちなみに私は普段から在来線特急はおろか普通列車のグリーン車もほとんど利用しない人です(したがって過去に乗車したことのあるJR東の在来線特急はE257系「わかしお」のみ、JRの在来線特急ではこれに加えて681系「サンダーバード」「しらさぎ」、特急以外の臨時も含めると185系の修学旅行列車と189系・E257系の快速「富士山」のみです)。
なお、現在成田エクスプレスは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う航空需要の減退により、日中を中心に多数の便に運休が発生しています。一日も早くコロナ禍が収束し、また成田空港が人であふれる日が来ることを祈ります。
 

というわけで、グリーン車で荷物を広げて勉強開始。とはいうものの、この企画ではグリーン車も含め全車自由席なので、グリーン車も特別料金無しに使えました。しかし、そのせいかちょっとだけ混んでいました。ここだけは定員の45%程度でしょうか。「密」になってないかなぁと心配にはなりましたが、問題はありません。そもそもグリーン車の座席は背もたれがかなり大きいのでパーテーション代わりにするには十分であり、横の席の人と十分に距離を取ってさえいれば何ら問題はないでしょう。私もソーシャルディスタンスを少しでも確保するため、窓側の席に座りました。
 

E259系のグリーン車の座席は高級感あふれる革製で、座り心地も一級品。シートピッチもとても広く、ヘッドレスト・フットレストも設置されています。15インチのノートパソコンも問題なく載せられる大きさがあり、ここはさすが空港特急といったところ。何時間乗っても飽きが来なさそうです。コンセントは肘掛に付いており、コードが足元に来ないようになっています。さらに、Wi-Fiも完備しています。テレワークには最適の環境かもしれません。今回はこのようにテレワークに最適な設備を有する車両が偶然余剰になって転がっていたうえ、これまた使われていないホームが偶然あったので、試しにテレワーク用に開放してみた、ということのようです。
このグリーン車で英語の課題を済ませ、課題の提出を行いました。というのも、課題の提出(英文の和訳×4文)の提出期限が13:20~14:50に設定されていたためで(ただし対面授業の場合は20:00~21:30での提出も可だった模様)、本来ならばこの時間内の課題提出は移動のため不可能であるのですが、成田エクスプレスの車内でテレワークしたので時間通りに提出できてしまいました(ちなみに、このせいで「対面授業はあっても何らかの事情でオンタイムで参加できるならオンタイムで参加してくれ」とわざわざ書かれてしまいました)。それを言うなら東京メトロのフリーWi-Fiを使えば・・・とは思いますが、ロングシートの電車ではあまりパソコンを開きたくない(というか迷惑になってしまう)ので、普段なら電車の中で課題をやることはできません(今度記事にするけどiPad買おうかな)。これで帰ってからが楽になりました。それと、あれほど豪華なグリーン車だし、隣を電車が通っているので気が散って全く集中できないんじゃないか?と思っていましたが、これが意外と集中できました。走る電車の中だったら揺れるし外の景色見ちゃうし・・・というわけで、停車中の電車でのテレワークは自宅以上に集中できました。
 
・「あの人」に遭遇!
さすがにグリーン車はちょっとだけ混雑しているし、このままさらにあと1時間居続けるのはどうなのかな・・・と思い、課題の提出が終わった14:30頃、グリーン車から普通車に移動することにしました。グリーン車も自由席になっているために普通車の方がかなり空いていますからね。
それでこちら側の写真も撮っておこうと思って先頭車側に来てみると、なんと鉄道系YouTuberのがみさんにお会いすることができました。先方も今回の話を聞きつけてテレワークしに来ていたようです。私と同じく14時から予約していたようです。
で、残りの1時間はグリーン車と比べとても空いている普通車で過ごすことにしました。がみさんも同じ車両で1時間ほど仕事してみるとのこと。ちなみに、動画内でがみさんがカメラを持ちながらE259系の車内へと入っていくシーンがありますが、あれは私ががみさんに会った直後であり、あの後ろにいました。動画の撮影シーンも見せていただき、感無量です。
 

ところ変わってこちらは普通車(モハE258-509)の車内。グリーン車よりも座席の横幅が少し狭いのですが、余程疲れている時でなければ普通車でも十分に快適です。シートピッチは普通車であってもかなり広く、足元のスペースにはグリーン車ほどでは無いにしろ十分に余裕があります。テーブルは15.6インチのノートパソコンがギリギリ収まるか少しはみ出るくらいの大きさです。マウスの置き場を確保するには隣の席も使わなければなりません。(特急列車としての運用中は、隣の席にお客さんが来る可能性があるので、極力進行方向右側の窓側席を予約することをおすすめします)
ちなみにがみさんは動画内ではMacbookをテーブルに広げていました。動画で見る限り16インチのMacBook Proではないかと思われますが、私のノートパソコン(HPのPavilion 15-cs3000)より一回り大きく重い(2kg)パソコンでも問題なくテーブルの上に載せられるようです。テーブルの大きさはWindowsのパソコンは15インチ、Macなら16インチまでならばぴったりテーブルに載せられるほどのもの。グリーン車はもう少し大きなテーブルでした。どれくらいの重さまでテーブルが耐えられるのかはさすがに分かりませんが、マウスを使えるほどの余裕はありません。隣の席のテーブルか窓枠の空きスペースを使うしかなさそうです。まず17インチとかいう巨大なノートパソコンを持ち歩く人なんていないでしょうが、よっぽど重くない限り大体のノートパソコンは問題なく上に載せられるはずです。
グリーン車と違いフットレストはありませんが、グリーン車より少し小さめのヘッドレストはちゃんと装備してあります。リクライニング最大角も比較的深めです。というかグリーン車でのリクライニング、やり忘れた・・・混んでたから仕方ないけど・・・
 
ちなみに方向幕は「臨時」でした。まぁこのような企画にネタ幕を求める方がおかしい、と私は思います。静かに集中して仕事するには、変な方向幕を出すといった無駄なものはできるだけ取り払った方が良いですからね。ちなみに翌日は「回送」だったそうです。
 
というわけで、成田エクスプレスの車内でテレワークしてきたという話でした。ちなみに今回の利用料金は90分で660円(100円(税抜)/15分)。「成田エクスプレス」の東京→成田空港(所要時間1時間)の特急料金は1,730円、グリーン車なら3,300円です。この通り、実際の「成田エクスプレス」としての運用時と比べてかなりの割安となっていて、仕事スペースとして考えても非常にお得です。座席のグレードも一般的なオフィスチェアとは比べ物にならないほど優れています。既設の駅ナカワーキングスペースと比較しても圧倒的なコストパフォーマンスです。
これからの新しい仕事の形として、このようにコンセントとWi-Fiを備えた車両をテレワーク用のスペースとして開放する取り組みはアリだと思います。首都圏の駅にテレワークスペースとして使えそうなホームの空きが無い、車両も必ずしも余っているとは限らない、さらにはWi-Fiの通信速度も微妙(ツイートによれば実測15Mbps程度だったらしい)という課題がありますが、それらがクリアできれば上質な環境が提供でき、仕事もより捗ることでしょう。リーズナブルでとても面白いイベントでした。
 
ちなみに、今回ご一緒したがみさんの動画はこちら。
 

 
 
 
こんなニュースも放送されていました。翌朝の新聞にも写真付きで記事が出ていました。

というわけで、ご覧頂きましてありがとうございました。