40代、50代、まわりでも脳梗塞や心筋梗塞を発症する人がちらほら出てくる。そんな脳梗塞や心筋梗塞の真の原因は、

 

動脈硬化

 

である。動脈硬化とは、動脈が硬くなって弾力性が失われた状態のことだ。動脈の血管壁にプラーク(コレステロール)がくっ付いて血管内が狭くなったことにより、血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる。そして最終的には、脳梗塞や心筋梗塞を起こすことになる。


動脈硬化を簡単に測ってもらう方法

動脈硬化を簡単に測ってもらう方法は、人間ドックに行って頸動脈エコー検査を受けることだ。これは首にゼリーを塗って、超音波を当てて、頸動脈の厚さを測る方法で、超音波を使うので、体にも特に害はない。気持ちよくて寝てしまうくらいだ。頸動脈の厚さはIMTといって知られている。

動脈硬化は普通の人にでも起こっている

年代別に動脈硬化がどのように進行していくかを調べた研究がいくつかある。

 

この研究では、年代別に頸動脈(首の動脈)の厚さ(IMT)を調べた。

結果は以下のようになった。
Max IMT by age group and sex (単位: mm)

性別 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代
0.48 0.63 0.71 0.87 1.00 0.99 1.20
0.45 0.54 0.60 0.75 0.87 1.04 1.37

おおざっぱに言ってしまえば、年齢が10年進めば、0.1mm動脈硬化がすすむわけだ。

 

こちらの論文でも、年齢別の頸動脈の厚さ(IMT)についての統計が出ている。


健常者における内中膜壁厚 (単位: mm)

性別 <30代 30代 40代 50代 60代 70代
男・女 0.50 0.53 0.60 0.74 0.84 0.92


こちらも年齢が10年進めば、0.1mm動脈硬化が進んでいる感じだ。

 

ちなみにIMTの正常値は1.1mm未満だ。1.1mm以上だとプラークありと診断がつく。上の統計でも見られる通り、通常70歳代までは1.1mm未満。1.1mm以上だと異常なのだ。で、頸動脈の厚みが増すと同時に、体のあちこちに動脈硬化が同様に進んでいると考えられる。

生まれる前から動脈硬化は起こる

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2644569/

さらに、この研究によれば、出生前および乳児期にでさえ動脈硬化は検出されるとのことだ。

ということで

通常は、長い間時間をかけて動脈硬化は進んでいく。しかし、不摂生な生活をすると突然動脈硬化は悪化する。そして、動脈硬化が悪化すると、いずれは心筋梗塞や脳梗塞が起こるのだ。