「もう帰したくない。」


彼の真剣な表情に、帰したくないという気持ちが現れていました。


「私も。もう帰りたくない。」


「じゃきまり!」


明日からは彼の家で暮らすのだから今日1日我慢して自分の家に帰ればいいと思ってたのですが、やっぱり帰れば元旦那に何をされるか不安は拭えなかったので、一緒に居られることは私にとってもとても嬉しいことでした。


もう、二人を引き裂くものは何もありませんでした。


彼がホテルを探してくれて私たちは最後のお泊まりをしたのでした。



翌朝、彼を仕事に送り出すと私は少しゆっくりしてホテルを出ました。


家に帰っても家には入らずに車だけをとってすぐに出ました。

誰にも知られない出発でした。


私にとっては人生の再スタートを切る出発でした。