話を聞き終わった母親は、


「そんなことだろうと思ってた。

大丈夫なの?その人。」



「大丈夫じゃない。

大丈夫じゃないから俺がそばにいてやらなきゃって思ってるんだ。

守ってやりたい、彼女を幸せにしてやることが俺の幸せだって思ったんだ。

こんなこと今までなかった。

俺たちはもう若くはない。だから『いつか』とか『そのうちに』なんて長く引き延ばすことよりもずっと一緒にいられるようにどうしたらいいかをよく二人で話し合った。

それで、とにかく一緒に住んでみようっていうことになったんだ。」


お母さんはいろいろと心配したり、ぼやいたりしていましたが彼の意思の強さに押し切られる形で承諾するしかありませんでした。 


退院の日、彼は花束を持ってやって来ました。