「まこのその性格はいつ形成されたんだろ。」


「私は2人姉妹の姉ちゃんだったからいつも母から我慢しなさいって言われてきたの。小さい妹になんでも譲って、守ってあげて、私のしたいことは我慢するのが当たり前だったの。だからかな?誰かのために尽くすとか何かしてあげることに夢中になってしまうのかもね。」


「マコの考え方に影響を与えた人は誰?


「んー、それは小学校の先生でね...。」


私たちにはこの入院で、たくさんの時間がありました。共に過ごせる時には近くで、離れて仕事しててもLINEのメールで、ずっと会話して繋がっていられました。だからお互いの人生を包み隠さず全て語り、その時間が2人の関係性をどんどん深くしていきました。


かず: ずっと一緒にいたら嫌になるかなぁ〜。と思ったけど、ならない自信があるんだよね。だって昨日より今日のほうがもっと愛してる。今日より明日のほうがもっともっと愛してるって思えるから。



こうして2週間が過ぎていきました。それでもまだ退院の日は決まりませんでした。


「もう入院しているのは飽きたから早く退院したいけど、そうするとまた家に帰っていつもの日常が戻ってくる。嫌だなぁ。」


「そうだね。ここは僕らの架空の家だったね。2人は夫婦でお医者さまや看護師からも僕は君の旦那さんって認識されてた。僕は愛する妻を心配して毎日見舞いにくる。こうした日々はとても夢のような時間だったよ。」


私たちには山積みの問題がありました。

なのにそれを考えずに今だけ2人は、全てをクリアした後の幸せを、先に経験してしまったのでした。


しかも状況が2人を清い関係のままで留めていたのでした。まるで若い頃の純粋な恋愛のようでした。



年齢がそうさせたのか、経験がそうさせたのか、特に身体の関係を急ぐつもりはありませんでした。それでも2人の心は強く強く惹かれあっていました。