かず:もう片付け終わった?消火器はお家にあるの?無いなら明日俺が買ってくよ?コンセントから火が出たのかな?もしよかったら状態を見たいから写メで送ってくれないかな?俺で直せるなら見てあげたいから。
でも、火事おこした直後にタバコ吸ってるなんて酷い旦那さんだね。どんな時でも君を守らなくちゃいけないのにね。もう、寝ちゃったのかな?俺も寝るね。
明日またね。
時間は夜中の1時を過ぎていました。ずっと心配してくれていたんだとわかりました。この気持ちがとても嬉しくて、やっと私も安心できました。私は写メを撮って明日送ろうとおもいました。
マコ:おはよ。昨日はバタバタしててごめんね。写メ撮ったよ。送るね。
コンセントの焼けただれた写メを送りました。
かず:んー、酷いね。
マコ:これってどこに連絡したら直せるかなぁ。電気屋さん?町のエアコンとか売ってる電気屋さん?
かず:俺が直せるかも。
マコ:えっ?
かず:町の電気屋さんではないけど大きくくくると俺も電気屋さんだから
マコ:電気屋さんなの?
かず:でも、俺がマコんち行くのは嫌だよね。
マコ:嫌じゃない!来て!来てください。お願いします。
かず:えっ、いいの?旦那さんとか息子さんとか。所在地とかわかっちゃうの嫌じゃない?俺はもちろん悪いいことには使わないし、君の嫌がることはたとえ別れた後でもしないと誓えるけど。
(こういう所が本当に誠実でいい人だと感じました。)
マコ:信じてるから大丈夫!
かず:本当に?
マコ:うんの頷く絵文字
普通、おつきあいしてても相手を家に招くのはかなりハードルが高くなります。気持ち的にも警戒心があったりしてなかなか簡単には来てもらったりしません。だって日常を知られてしまうという
ことになるからです。部屋の片付け方や掃除の行き届きなどを見られるということです。
でも、その時はそんなものをすっ飛ばして火事の後始末を優先に考えました。貸家だったのでボヤを出したことが大家さんにバレたら追い出されてしまうと思ったからでした。
この突発事態に彼は救世主に見えました。この時私は彼に対して、何を見られてもいいと判断しました。彼は家に来ることでまた一歩私の心に深く入って来たのでした。ただうわべだけを飾った付き合いから一気にうちの中まで迎えられる関係になったのでした。
かず:じゃぁ土曜の昼間に伺うよ。
マコ:よろしくお願いします。
かず:俺、会社の作業着を着て行った方がいいかなぁ。
マコ:えー!個人的に私が見て見たい!
かず:えー、なんで?
マコ:どんな感じで仕事してるのか知りたいから
かず:マジで〜?恥ずかしいなぁ。
マコ:じゃぁそれでよろしくお願いします。
本当に私は、彼の作業着姿を見たかったのでした。かっこいい着飾った彼ではなくて、仕事する普通の彼を。
この突発的な出来事が、このタイミングで、このシチュエーションで、起こったことに私は驚いていました。
まだまだ彼の前では、着飾って取り繕っていた私からすべてのガードを取り外し、一気に彼との距離を縮めてくれたのでした。