ギィーと大きな音をたてて開いたドアに彼は

「これ、どうしたの?」

と、聞いてきました。


実は数日前に車を擦ってしまってドアが開きづらくなっていました。


「あぁ、、この前擦っちゃって。」


「ちょっと気になるからなおしてあげるね。」


と言うと自分の車から工具を取り出して何回か具合を見ながらあっという間に直してくれました。


「うわー、すごい!音がしなくなった!ありがとうございます。」


「いやー、なんか気になっちゃって」




(うちの旦那に言おうもんなら面倒くせーと一蹴されるだけなのにこんなに簡単に直してくれるなんてますますラブポイントプラス20点だわ!)


と思っていました。


「じゃ、こっちの車にどうぞ。」


エスコートされてドアを開けてもらい助手席に乗りました。


「よろしくお願いします。」


「はい。」


シートベルトを締め、とても安全運転で車を走らせてくれました。


「運転お上手ですね。」


「敬語やめませんか?マーちゃんって呼んでもいいですか?」


「はい。あ、いい、よ。私もかずちゃんって呼んでもいい?」


「うん、オッケー!」


車のオーディオから流れる曲はどれも、聞き覚えのある曲ばかりで私の好きなラインナップでした。


「これってこの前のライブでかかってた曲ですね。とったんですか?」


「はい。今日のためにパソコンで編集してきました。」


(えーえーえー!今日のためにデートのプランを練って、音楽も選んで準備してくれたの?車に乗るときも降りてきてドアを開けてくれるジェントルマンだし、最高!若い頃にしてもらいたいと思ってた事が全部入ってるパーフェクトデートだぁ。)