(もう、帰るのかぁ。)
と、残念に思ってうつむいていると不意に肩を抱かれそのまま彼の唇が私のくちびるに重なりました!
その甘やかな優しいくちづけに、私はとろけてしまいました。
「また、会ってくれませんか?」
と聞かられて私は
「はい。」
と、答えるのがやっとでした。
どうやって家に戻ってきたかも覚えてないくらいに私は夢の様な心持ちでした。
憧れの彼とステキな出会いをして、楽しい会話をして、最後にあんなサプライズ!まるでドラマのようだと思いました。
でも車から降りると現実が待っていました。
「遅かったなぁ。風呂沸いてるぞ。飯は食ったのか?」
息子の矢継ぎ早の質問。
「いらなーい。」
私は夢心地ないい気分を邪魔されたくなくて、その場を離れてお風呂に逃げ込みました。
湯船に浸かりながら心は乙女になっていました。
今日の出来事を何度も何度も思い返しては幸せな心地に浸りました。そして、次の展開はどうなるのだろうかとまるでドラマでも見ているかのごとく今後の展開を楽しみにしていたのでした。