そんなある日、私は近くのポートタワーで行うライブのポスターを貼っていました。すると憧れのあの人が後ろに立っていてそのポスターをみて

「行こうかな」

と、呟いていました。


私は張り終わるとすぐにその場を離れましたが、彼がポスターをチェックしているのを遠目に見て

(そうだ!私も偶然を装ってライブにいこう!)

と考えました。


最初は遠目に彼が見れればいいと思っていました。


ポートタワーに着いてエレベータに乗ってライブ会場の4階を目指しました。そして、彼を探しました。彼は後ろの方に座っていました。丁度その隣の席がひとつ空いていました。私はすかさずその席に座りました。


隣に彼を感じながら、でも見ないようにしながらそれとなく様子を伺いました。

(もしかしたら誰かと一緒に来ているかもしれない)