「実は、君が最初の子を流産した後でギクシャクした時があっただろ?あの時に君の様子が心配で、仕事に出かけていったのを追いかけたことがあるんだ。確か、後楽園ホールのボクシングの試合だった。君はラウンドガールの仕事をしていた。」


「えっ。」


「君のメモ書きに後楽園ホールと時間が書いてあって…。」


リオンはびっくりしました。

あの時の事を知ってるとしたらどこまで知っているのだろう?

なぜ、今まで話さなかったんだろう?


そして健斗は何を考えているのだろうと思いました。



あの時、健斗はリオンがリングの上のボクサーと何かあったように見えました。

それが何なのかはわからなかったけど、2人はアイコンタクトを交わしていました。


それを見て健斗はリオンを失うかもしれないと不安に打ちひしがれて一人家に帰ったのでした。