リオンの心はずっと宗と共にありました。でも、リオンは健斗の妻として健斗を大事にして支えることを怠りませんでした。


健斗は、事業を拡大する時に少し大きな借金をしました。支払いに困ることがあった時も、リオンは自分の貯金をそっと渡して

「これ、使って。」

と言いました。


健斗のピンチも、もちろん事業拡大だけのせいではなく健斗の女遊びの費用や、ギャンブルの負けが含まれている事もわかってたけど、リオンは何も責めずに協力して助けてあげたのでした。


健斗との結婚生活に心を込めて尽くして、家族の幸せのために努力して家庭を守るリオンでした。


確かにリオンも、宗との事は不倫になるとわかっていました。でも健斗との結婚生活を守るために必要な出来事に思えました。


どちらの愛が本物か、どうすることが正解なのか、それはリオンにもわかりませんでした。でもリオンはその時々1番良い選択をしてきました。


最初の子を亡くして傷ついて立ち上がれなかった時、健斗と離婚することも選択肢にはありましたが、そうせずに結婚したということに意味を持たせて結婚生活に努力をする事を選んだのでした。



でも、それは宗との出会いがあったからこそ決断できた事でした。


健斗との結婚生活を選んだのだから宗と別れる事も選択肢にはありました。

でも、それをしませんでした。

全てを宗に話した時に、宗はリオンを束縛するような事は言いませんでした。

むしろ失いたくない、失わずにすむなら何でも受け入れると言ったのでした。体の結びつきがないまま信頼だけで愛を示してくれたのでした。


だからこそ、長い時を待ち続け、沖縄で2人の心を確認しあって、初めて2人は心も体も一緒になったのでした。そしてその事は一生隠し続ける覚悟をしていました。