○夫婦の再構築
リオンは健斗にこう切り出しました。
「健ちゃん、女の人と遊んでるよね。」
「は?」
「その人の事本気なの?」
「…。」
「私と別れるつもり?」
「…。」
「待ってたら、いつか帰ってきてくれるの?」
「わからない。」
「その人と結婚するの?」
「わからない。」
「もう、戻れないのかな?」
「…わからない。」
リオンは今まで我慢していたものが溢れて、だんだん興奮してきました。
「ずるいよね。相手の人が居なくなったら帰ってくるつもりなの?続けられるだけ続けるつもりで?」
「…。」
「私がこんなに苦しんでても?私が居なかったら良かったのにね。私が死んじゃえばいいんだよね。邪魔だもんね。だったら死んでやる!」
台所に行って包丁を取り出しました。
「やめろよ!何してんだよ!」
リオンは、そのくらい思い詰めていることを健斗に分かってもらいたかったのでした。そのくらい苦しんでいる事を知ってもらいたかった。むしろ本気で死にたいと思っていました。
しかし、リオンに背を向けて家を出て行く健斗の後ろ姿。
そして目が覚めました。
「夢か。」
リオンはこの夢を考えていました。おそらく面と向かって対峙したら健斗は夢で見たようにリオンの元を去ってゆくのでしょう。
でも、健斗とやり直すのなら、どうすれば良いのか。
リオンはどうしたいのか。