○占い師


その帰りにリオンは占い師に呼び止められました。

「ちょっとあんた、話を聞いて行きなさい。お代は後でいいから。」

「あまりお金持ってないですよ。」

いぶかしげに言うリオンに、

「あはははは!」

と豪快にわらうと

「まぁまぁ、聞いて損はないから。」

と、占い師はそぉ言うと小さなテーブルを挟んでリオンを座らせました。そしてリオンの瞳をじっと見つめて、ゆっくり話し始めました。

「あんたは、幼い頃、愛情に飢えて育った。んー、母親に捨てられたね。小さい頃から、苦労したんだね。」

ゆっくりカップのコーヒーを口に含んで飲み込むと、リオンに手を出すよう促しました。右手、左手をじっくり見るとまた続けました。

「人の顔色を伺って、人に気に入られようと気を使い、信用しては裏切られて、嫌な思いをたくさんしてきた。小さいくせに大人の都合を考えて自分のことより相手の事情を優先させてきた。母親がいなくなってしまうかもしれない不安をいつも持ちながら、母親を怒らせないように、母親に嫌われないように気を遣っていた。」

「当たってます!」

びっくりしたリオンは占い師の言葉をくいいるように聞きました。

「何度捨てられても母親を大切に思ってどんなことも尽くしてやってあげた。」