「リオン、俺と沖縄に行かないか。沖縄で2人で土産物屋でもやりながらゆっくり過ごさないか。」


宗はリングを降りて引退したら沖縄に行こうと漠然と思っていました。終の住処にリオンが居ればこの幕引きも宗にとっては素晴らしい人生の再出発になると思いました。




でも、リオンは違いました。


「宗、私は私の運命に負けたくない。」


「どう言うこと?」


「私は健斗との結婚を全うしてない。子供が流れてしまって最初の試練も超えてないし、健斗の浮気も解決してない。…、全てを投げ打って白紙に戻して宗の元に走ることは何も解決しないで逃げてるだけだと思うの。」


「リオンはどうしたいの?」


リオンは真面目な子でした。誰かに迷惑をかけることはしない、人に後ろ指刺されることはしないと決めていました。


「ちょっと考えさせてもらってもいい?」


「もちろんだよ。大事な選択になるからね。」