ひとしきり泣いた後、リオンは言いました。


「こんな状況じゃなかったら宗と出会って無かった。街の片隅で頑張っている宗に気づくことはなかった。本当はあの助けてもらった日より前から宗のこと知ってたの。」



「そうなのか?でも、そうだな。こんな状況にならなかったら俺は、大切なお前にに出会えなかった。そしてそれがとてもとても大事だって見つけられなかっただろうな。」


「あの時、宗を見つけなかったら私は死のうと思っていたの。あの時助けてくれたのはまだ出会ってもいない宗だったのよ。」


「もし、それが本当なら俺もお前に出会わなければただのピエロだった。人生も未来も考えなかった。だから、俺もお前に救われたんだ。」


「出会うべくして出会った。」


「運命だった。」