彼女は本気で健斗との将来を夢見ていました。

友達に

「トラック仲間の彼氏ができたんだ。」

と話していました。

「その人奥さんとうまくいってないみたいで、休みもずーとあたしと一緒にいるの。」

「愛してるって言ってくれていつもご飯とか一緒に食べるの。」

「私の方がずっーと彼を幸せにしてあげられると思うんだ。」

女の妄想はどんどん膨らんでいました。

女には倫理観がありませんでした。


「それって、不倫でしょ?相手の奥さんに悪いとか思わないの?」

「どうして?出会ったのが遅かっただけよ。私達は運命なの。」

「でも、追いかけても結婚できるわけじゃ無いんでしょ?無駄な時間になるんじゃない?」

「結婚なんてそんなの望んでないわ。結婚という契約に縛られるんじゃなくて純粋に愛だけで結ばれてるの。私達の方が愛が深いのよ。」

「でも、愛がなくなったら何の補償もないじゃない。」

「見返りが欲しくて愛してるんじゃないわ。本物の愛だからこそ強く結ばれてるのよ。」


友達がやめるように説得してもダメでした。


「他人の旦那さんを盗んでいるって自覚はないの?」

「誰が誰の物かなんて誰にも決められないでしょ?」

「あまり深みにハマらないうちに手を引きなさいよ。不倫なんていい事ないから。」

「別に奥さんと別れて欲しいって言ってないし、誰にも迷惑かけてないもん。別にいいじゃない!」