「少し会うのを控えようか。」

「えっ、どうして?」

「なんか、俺、噂になってるらしい。」

「えー、やだ!」

「いや、職場でバレたらまずいどろ。」

「いいじゃん。」

「良くないよ。」

「別にあたしはいいけどな。」

「何怖い事言ってんだよ。」

「えー、だってあたしの事愛してるでしょ?」

「それとこれとは違うから。」

「愛してないの?」

「そんなつもりじゃないよ。」

「どんなつもりよー。」

彼女はこの関係を永遠のものにしようと思っていました。

「別に結婚してとか言ってるわけじゃないじゃん。でも奥さんよりも愛してるわけだしもっと大事にしてほしいって言ってるの!」

「わがまま言うなよ。もう、帰るぞ。」

「ダメー、もうちょっと。」

唇を合わせ指を絡ませて誘ってくる彼女を拒まず流されるままに健斗はまたシートを倒してなだれ込むのでした。