新緑の中、撮影が行われていました。
華奢な体にスラッと伸びた脚が自慢のリオンは読者モデルになりました。
愛くるしい顔に大きな目が印象的で、悲しい表情が得意でした。
(ママに置いてかれた時のきもちを思い出せばいつでもなけるもん。)
悲しい表情の撮影はその背景にあるリオンの気持ちが現れるので、訴えかける力があると評判でした。
<リオンちゃんの悲しい表情に(涙)>
<リオンちゃんかわゆ過ぎて抱き締めたくなるぅ>
と女性からの圧倒的な支持を受けていました。
彼女をスカウトしてきたマネージャーは得意げに
「リオンは天性のモデルなんですよ!写真の一瞬の中に深い気持ちを込められる特別なモデルなんですよ!」
と絶賛していました。
「リオンちゃん。今度雑誌のインタビュー入るからね。どんどん売り出して行くよ!」
「えっと...、私お話するのあまり得意じゃないんですけど...。」
か細い声でリオンは訴えました。
「大丈夫、大丈夫。答えはあらかじめ用意されてるから!書いてあることを言えばいいからね。」