7.友
そんな不安定な俺を心配して友達がやって来た。昔一緒に丸坊主になって野球をした友達だった。丸坊主はそのままに、その身に袈裟を掛けて一丁前に僧侶をしてるらしかった。
「なんだ、お前やっぱり家を継いだのか。」
「まぁな。檀家もあるし誰かやらなきゃならなかったからな。」
「お前嫌がってたよな。僧侶なんてやだとか言って。」
「お前だって、飯は女房に作らす!俺は料理なんかしない!とか言ってたのに結局他人の飯まで作ってるんだろ?」
「ま、そうだがな。」
酒を酌み交わしながらそいつが言った。久しぶりの軽口に心が和んだ。
「俺な。死にたくなることがあるんだ。」
と、友達が言った。
びっくりした。俺のことかと思った。