「ズルイよ。そんなときにだけ愛したいなんて。私には何のメリットもないじゃない。結婚して私を養ってくれるわけでもない。あなたの性欲の捌け口になるだけじゃない。そんなの都合のいい女って事じゃない。」


「俺のこと好きじゃないの?」

「そういうことじゃない。スルだけの関係なんて嫌だって言ってるの!あなた、私にご飯すら奢ってくれないじゃない。普通男と女が付き合うならデートしたりご飯食べたりしていいムードを作ってまずキスからでしょ?キスがオッケーなら次の段階にって。そういう手順も踏まないで、でも愛して欲しいなんて虫が良すぎるよ!」

「だって今の俺には妻の入院費もかかるし、借金もあるし。」

「ほらね。タダでヤレる都合のいい女が欲しいってことじゃない。そこに愛なんてないの。いい加減にして。もう来ないで!」


俺は振られた。


俺は何となく話の合うその女が好きだった。理知的な所が好きだったが、それだけでは通用するはずもなく、また1人になった。