「ご主人は彼女がデートクラブに所属していたのをご存知ですか?」

「デートクラブ?」

「私は彼女とデートクラブで知り合いました。年齢も32歳と聞いていて、結婚も考えてお付き合いしていたんです。」

 この男は一方的に妻への想いを語り始めた。

「もっともお相手は僕だけではなかったみたいですが。彼女の携帯を預かっている間に届いたメールを見させてもらったのですが、僕以外にもそういう…肉体関係のある方が複数いたようで、僕もその中の一人というだけだったみたいです。」


(こいつは何を言っているんだ?妻が浮気?しかも複数の男と?そもそもデートクラブに所属ってなんだ?)

 疑問は次々と頭に浮かんできた。

「僕は彼女を愛していたのに残念です。失礼します。」

 この男は言いたい事を言うとさっさと帰って行った。

(妻はいったい何をしていたんだ!)