その2

◯ちゃんは川沿いを歩いていたら、向こう岸に古い友達がいた。懐かしいなぁって思ったんだけど「あれ?あの子、たしか、死んだんだよなぁ。」 って思い出した。でも、寒くて寒くて向こう岸のほうが暖かそうで向こう岸に行きたくなった。

「おーい、待ってくれよ。俺も連れてってくれよ。」


その頃おふくろさんは急いで◯ちゃんの部屋にいって龍神様の色紙を探した。どこにもなくてゴミ箱を見たら


「あった!」

おふくろさんは手ぬぐいでホコリを払って手を合わせて

「すまんかったの。後で酒と米をお供えするからこらえてくれ。」

と必死に祈った。そこに近所の人が慌てて飛び込んできた。

「おっかちゃん!◯ちゃん事故したって!峠だってよ!」

おふくろさんはその人に車を出してもらって急いで峠まで走った。


そこには警察が来てて、

「あ、おっかちゃんかい?いやー、もう駄目だな。救急車よんだんだけど息がなかったんだよ。死人は救急車にはのせらんねーからな。帰っちまったよ。」

おふくろさんは◯ちゃんのところへ行くと

「ほんだから、言ったべ。バイクは気ぃつけろって!親より先逝くバガがおるかぁ!」



「バガ言うな!俺は死んでねーぞ!」


「え?」

ってなって、もう一回救急車を呼んでる時間ももったいなくてそのまま来た車に乗せて麓の病院まで行ったんだ。


そん時、◯ちゃんはゆめみてたんだ。


友達が

「おめぇはまだこっちきちゃダメだ。」

「なんで?俺もそっちに行きたいよ。」

「おふくろさんに聞いたか?」

「あ、言ってくんの忘れたわ。ちょっと言ってくるわ。」


目が覚めたら病院だった。3日間昏睡状態だった。でも、こっちに帰ってこれたって。おふくろさんのおかげだね。龍神様にお礼だね。生かしてもらえたから。