-番外編-
天気が悪いですが、
私は小さい頃から雨が好きです。
そして、陽の当たらない場所が好きです。
だから、雨上がりが嫌いです。
私の仕事の話を少しだけ。
私は大学院を出て、
内定の出た中で最も実家に近い場所ということで、
今の会社を選びました。
研究はもういいかなと思い、
食品メーカーの製造、
いわゆる現場仕事に従事してきました。
ただただ出来ることをこなす日々、
製品の歩留まり改善や生産能力向上、
私は最後まで構想できたものだけを提案します。
ある程度の成果にとどめて、
リスクがあるものは、
提案しないようブレーキをかけます。
人間関係は無難に、
自分から悪口は言わず、
人の悪口はそう言う時もありますよねと、
同調しておきます。
いつか助けてもらう可能性を考えて、
相談されたら切実に応える。
全ていつかの自分を守る為の行動に過ぎません。
おかげで妻が統合失調症を発症した時は、
随分と色々な人に助けて頂きました。
ただ、
揉め事を起こさず、
堅実にしていると、
少しずつ評価されていくようです。
5年後に班長
7年後に中国派遣
8年後に統括班長
10年後の今年、係長になることになりました。
正直なところ、
出世なんてものは望んでおらず、
妻と平穏な日々を過ごす事ができれば、
それでいいと思っています。
班長になったときもそうでしたが、
部下は先輩だらけなので多少は気も使います。
揉めた事も反抗された事もありませんが、
出世欲のある人もいると思います。
年功序列は、
年配の人と若い人の精神を守る、
日本の素晴らしい文化だったのではと、
最近しみじみと感じます。
今の時代、
出世を望む人も少ないですよね。
なんとかモチベーションにするとしたら、
「私のせいで出世できない」(妄想)
「お金がないと一緒にいれなくなる」(妄想)
と嘆いていた妻を心の底から安心させるため。
もしくは、
両親は少しくらいは喜ぶかもしれないので、
朗報という形の親孝行のため。
「係長ってことは野原ひろしと一緒か
」
「だから最近足…そういうことか
」
という呑気な妻が有難いです。
妻は今日、
寿司を持って帰ってくるようです。
妻なりのお祝いなのかもしれません、
雨の日に寿司とビール、
これだけで生きていけます。
そうか、そのために働くことにします。