公衆電話 -急性期- | 妻と私の異世界生活

妻と私の異世界生活

2020年の春
妻が統合失調症を発症

突然、異世界に放り出された妻と私の闘病記録

急性期、休息期を経て回復期に入り安定したのも束の間、2023年の夏、妊娠発覚と同時に再発

いつかこのブログが誰かの助け舟になります様に。



-発症から2ヶ月後-


妻の入院から2週間が経ったころ、


病院から電話が来ました。


担当の看護師さんでした。


「公衆電話の使用を許可したので、


かかってきたら出てください」


と言われました。





数分後、


「もしもし、今どこ?危険だよ!逃げて!」


「家にいるし、何も起きてないけど、ご飯食べてる?」


「とにかく危ないから逃げて!」


「どこに逃げればいい?」


「どこでもいいから逃げて!」


「分かった、そうするよ」


10円をかちゃかちゃ入れる音が聞こえていました。


「この世界は間違ってる!」


ツー…ツー…ツー…


全く会話にならずに終了しました。






症状は何も改善されていない様子で、


逆にモヤモヤしました。


間違いなく幻聴からの妄想ですが。





確かにこの世界は間違ってるかもしれない…


妻だけが真実を見れていて、


私含めて他の人が異常なのでは…


なんて変な空想をしてしまう時もありました。





公衆電話からの電話は頻繁に来るようになり、


内容は、逃げて!がほとんどでした。


消灯は21時らしく、


それ以降は電話ができないようでしたが、


ある日、


夜中の2時に電話が…


「大丈夫?生きてるよね?」


「うん、生きてるけど電話大丈夫なん?」


「うん、気をつけてね!」


「あっ!もうやりません、すみま」


ツー…ツー…ツー…


完全にやらかしたなと、


何故か本人らしさを感じて微笑ましくなりました。


必死に隙を見て電話をしてきたと思われます。






そして、


しばらく電話が来なくなりました。


-現在- (発症から2年半後) -回復期-

​妻はいつも全力です。


ただ、不器用ですニヤリ

今も必死に洗濯機の清掃をしています。


「おいおい予防

教えるたるからな、ちょっと来たまえキメてる

私が入院したら困るからな指差し


といい、概要は聞きましたが、

「一生よろしく頼んだぞ」

と言って今逃げてきました。