子供の頃、雑誌の中に

 

 「ペンフレンド募集」

 

のコーナーが必ずあった。

 

"小学5年生などの雑誌

 

例えばこんな感じ。

 

「私はお手紙を書くのが大好きな小6の女子です。好きな科目は国語です。お手紙待ってます。」

 

そして

堂々と住所が書いてあった。

(今なら考えられないけれど)

 

私はこのコーナーが好きで、

出すならどの子にしようかなぁ〜と

空想して、

毎回全部読んでいた。

 

一度

散々悩んで出してみることにした。

 

神奈川県の小学生。

 

出すことにしてからが長い。

まず文房具屋さんに行き、

好きなレターセットを選ぶ。

そして

最高にキレイな字で時間をかけて

手紙を書く。

自己紹介から始まって、

学校でのたわいない出来事や、

家族のこと、

好きな食べ物や習い事のことを書いた。

質問も書いた。

 

封には可愛いシールを貼る。

使わずにとっておいたお気に入りのシール。

切手を貼り、

モチロン自分で駅前のポストに

ダッシュで出しに行く。

 

返事はいつくるかわからない。

向こうが選ぶのだから、

来ないかもしれない。

 

毎日毎日

「お母さん!  手紙きてへん?」

と確認していたっけ。

 

何週間か後、なんとなく忘れかけた頃、

返事が届いた。

遠くから  えっちらおっちら

うちの家まで

よく届いたもんやなぁと思った。

 

嬉しかった。

 

今思えば、

遠い街に住む

顔も知らない友だちとつながる

初めての経験だった。

 

神奈川ってどんな町なんだろう?

どんな道があるのだろう?

どんな友だちがいるのかな?

多いのかな?

学校は楽しい?

 

想像の枠はかなり狭っちいけど、

そこには

相手の暮らしに思いを巡らせる

ゆったりした時間や気持ちがあった。

 

"既読"なのかどうなのか    なんて

そんなことは知らない。

返事もすぐにもらえるものではない

と知っている。

そんなことどうでもいいのだった。

 

 

次の日も

私は学校に行く。

いろいろあるけど、我慢して行っている。

神奈川県にペンフレンドもいるしな〜。

だから平気やねん🎵

 

そんな文通友だちに

励まされていた頃があった私だった。

 

 

懐かしい空想の友だち

ペンフレンドに

ありがとう😊