「この有事に御社の影響はございますか?」この質問を頂く。
私は一貫してこう答えている。
「チャンスです。」
私が起業したのが、2008年。この時、世の中では何が起きていただろうか。そう。サブプライムローンにおけるリーマンショックである。世界同時株安が蔓延し、日本においては円高が広がり、不動産価格は暴落した。私が起業したのは、まさにこの有事の時である。
起業時に、私は「世の中の市場と比例するようなビジネスモデルでは、いずれ世の中と共倒れする。不況に強いビジネスモデルを。」と立ち上げたのが、現在の「GoodLifeCompany」である。
具体的には、一般的なデベロッパーのビジネスモデルは、金融機関からの借り入れを行い、土地を仕入れ、建物完成後に資金を回収する為、土地建物を中長期的に在庫として抱えてしまう。また好景気の際に高値で仕入れた土地と、不景気により値崩れした土地の実勢価格に差が出てしまうことで大きな損失がでてしまう可能性がある。フリーキャッシュフローは乏しく、自己資本比率も総じて低い。この業種の特徴、言うなればウィークポイントである。
一方で、我々は非デベロッパーである。当社が在庫として抱えるのは「土地のみ」。「土地のみ」を数か月単位で販売を行うため回転が速く過剰在庫を抱える事がなく、借り入れに依存する必要はない。(2019年12月末時点:有利子負債ゼロ、自己資本比率約73%)。
仕入れは利回りからの逆算にて土地の仕入れをしているため、相場に対して大きなギャップは生まれにくい。ターゲット層は「富裕層」の為、金融機関に対しての信用力も高く、ファイナンスにおいても大きな問題とはならない。不景気時においてはプレイヤーの数も減り、仕入れ値も下がる為、高利回り物件も作りやすく、当社においてはマイナスにはならない。むしろプラスであり、まさに不景気に強いビジネスモデルと言える。
だからこそ今、我々はより一層本業にフォーカスして動いていく。
さらに今回の場合においては新しい働き方等の検証(混雑時間差出勤・在宅勤務テレワーク)が出来る機会であるとも認識している。
ゆえに、冒頭にある質問の答えは「チャンスです。」ということになる。
全ては『想定内』であったということだ。