個人の機能は組織の中で引き出される | 自分の人生の舵を取れ! ⭐︎武井義勇(kammy)のブログ

自分の人生の舵を取れ! ⭐︎武井義勇(kammy)のブログ

僕は、公立小学校の教員をしています。

その中で大切にしたいことや、自分の生き方を考えてきました。それをシェアしていきます。

自分の人生の主役は自分自身です。いかに生きればもっと幸せになれるのかを追究しています。

いつもお読みいただきありがとうございます😊本質の追究者の武井義勇(たけいきゆう)です。


今回は、勅使川原真衣氏著『「能力」の生きづらさをほぐす』を読んで考えたことのシェアです。


この本は、能力というものが何かということを細かく紹介してくれています。「人間力」「想像力」「統率力」「コミュニケーション力」様々な力が能力として評価されます。

もし仮にこのような力を全て持ち合わせている人がいたとしたら、どんなに社会で生きやすくなることでしょう。しかしそんな人は一人もいません。


さらに言えば、たとえどんなに能力が高かったとしても、その人が必ずしも組織の中で活躍するとは限りません。その理由をこの本では事細かに説明してくれています。


では、組織の中で一体どのように生きていくことがよいのでしょう。勅使川原さんが伝えようとしていることを一言で表すと


「個人の機能は、組織の中で引き出される」

ということになると僕は捉えました。

要するに、〜力などの能力は組織の中で見えてくるものであって、何かのスコアがある訳ではないということです。


例えば、野球選手のAさんがいたとします。Aさんが所属しているのは埼玉県にあるSというチームです。そこではバッティング力も守備力も低いために一軍になることが叶わずにいました。


そうしているうちに戦力外通告を受けて、東京にあるYというチームに移籍をしました。AさんはそこでBコーチという人と出会い二人三脚で研究や練習を積み重ねていきます。

すると2年もすると一軍のレギュラーになり、年間最多安打を打つほどのバッターに成長しました。Aさんはそこから10年間大活躍をしたのです。


こういったことは結構ざらにあることではないでしょうか。

Yチームで大活躍している時のAさんの姿を見れば、Sチームで泣かず飛ばずだった頃のことは想像することもできません。けれど実際にはSというチームでは活躍することはできなかったわけです。


SとYチームの違いは一体なんでしょうか。それは単純に

「環境の違い」

だと言えます。環境が違うだけで、人の活躍度合は雲泥の差となります。


確かにYに移ったAさんは、そこで血の滲むような努力をしました。そしてそれが元で活躍できるようになったと考えられます。しかし個人の能力というのは、短期間にそこまで大きく変化するものでしょうか。


それよりも僕は、Yチームの環境がAさんには合っていたと考えることの方が自然だと思うのです。Aさんの才能を見抜いたBコーチの存在や、その努力を陰ながら応援していたチームの首脳陣のあり方。さらには同僚たちが切磋琢磨できるような環境が用意されていたのかもしれません。

Aさんが変わったというより、Aさんに適した環境だったわけです。


ではSチームはダメなチームだったのでしょうか。それもまた違うと思います。このチームでも大活躍できる選手はたくさんいて、その選手たちは環境に適していると考えられるのです。


例えるなら、熱帯地方のSチームと寒冷地方のYチームというように、環境がまるで異なるチーム同士だったようなものです。どちらが良くてどちらが悪いとは言い切れません。


そうなると、個人の能力に頼るのはかなり心許ないことだと考えられます。そもそもその能力という指標がどこにあるのか分からないからです。


高校時代に甲子園で大活躍した選手が、プロに入ったら全く活躍できなかったというようなことも、高校や大学ではほぼ無名であった人が、プロに行って大活躍したといった話もゴロゴロ転がっています。このような話が出てくるのは、環境によって人は生かされたり殺されたりするということを物語っています。


では、能力の代わりに組織の中で個人を活かす指標は何かと考える必要が出てきます。


勅使川原さんはそれを「個人の能力ではなく、組織の機能だと考える」と書かれています。


例えば、思ったことをズケズケ言う人がいたとします。周りからは疎まれやすいその人は、それでも組織の勘所を捉えて提案していたりします。

その人は傍目から見ると「コミュニケーション能力」に欠けているように見えます。しかし組織の機能の1つだと考えれば、問題点や課題をズバリと言い当てる人ということで重宝されるかもしれないわけです。


その人は周りの人と積極的に交わろうとしない変人に見えるかもしれませんが、周りと距離をとることで馴れ合いを避けているのだとも考えられます。そうであるならば、その人をそのような役割(機能)として活用することが大切なのだと考えられます。


これは組織にとって必要不可欠な部分です。言い方が機械的になりますが、人の機能は組織の中で、歯車の1つとして活用されるべきなのです。




このように考えてみれば、その人を活かすかどうか、そして機能するかどうかは、その組織の風土によるものだと言えます。


Sチームにとって、Aさんという機能は必要なかった。けれどYチームにとっては、Aさんという機能が不可欠だったということです。



僕たちは、何かしらの組織の中で生きています。その中で自分のポジションがあると感じられれば幸せですし、必要性がないと感じれば寂しくなります。自分がどのように感じるのかがとても大切だと思うのです。


組織の中でもし生きづらさを感じるのならば、それはその組織にとって、自分は必要な機能ではないのかもしれません。けれどたまたまその場ではそうだけれど、違う環境に行ってみれば大活躍できるかもしれないわけです。


だから僕が言いたいことは、「自分の能力が欠けていると考えなくてもよい。その組織に自分が機能しなかっただけだ。だから別の組織に身を置いてみよう。」と考えるのも1つの方法だということです。


無理に自分を曲げてまで環境に合わせる必要はありません。

「自分を生かせないこの組織がバカ」

そのくらいの気持ちで過ごしていったらよいのではないかと、僕はこの本を読んで思いました。


これが全てではありませんが、このような考え方をしてみてはいかがですか?という僕からの提案です。


最後までお読みくださりありがとうございました。