Windows10が最後のWindowsではなかったのか

 Microsoft社がリリースしたWindows OSの開発方式は、2007年にWindows Vista、2009年にWindows 7、2012年にWindows 8と、メジャーバージョンアップが行われユーザーは有料でアップグレードする開発方式であった。

 

 2015年にWindows 10のリリース発表があり、この時に「これが最後のバージョンのWindowsである」として、Windows 10は過去のようなメジャーバージョンアップは行わず、Windows 7のSP1及びWindows 8.1はWindows Updateを通じて無償でアップグレードを提供し、以後半年に1回の機能アップデートを通じて新機能を無償で提供していく開発方式に転換した。

 

 この「メジャーバージョンアップはもう行わない」という新しい開発方式のことを、「最後のWindows」と誤解した人が誤った内容の記事をネット上に投稿し、それを読んだユーザーが「Windows10が最後のWindows」と拡大解釈してネット上で蔓延させることになった。

 

 Windows8までの3年サイクルでのリリース方式を終えて、2015年にリリースしたWindows 10からはWindows as a service(サービスとしてのWindows)という考え方を優先させるということである。

 これにより、「Windows Updateを通じてバージョンアップやアップグレードを提供するサービス方式」となった。

 

 Windows10のバージョンは配信された西暦年月の下4桁で表示され、2020年後半期から西暦年の下2桁及び半期1又は2で「20H2」のように表記されるようになったことで、ver.2004は「20H1」と呼び記されることもある。

 

Microsoft Windows 10 - Wikiwand

 Windows 10では今後、機能改善や新機能の追加といったOSのアップデートが3月と9月の頻度でWindows Updateを通じて無償で行われるということであった。

 この発言は撤回されてOSのアップデートは年1回となり、2021年6月24日(現地時間)に次期OSとなるWindows 11が発表された

 

Windows 10はなぜ最後じゃなかった?次世代の「Windows 11」がリリースされた理由 - CNET Japan

 

 次は「21H2」が配信された後に「Windows11」が配信されるのか、「21H2」が「Windows11」として配信されるのかはまだ解らない。

 、「Windows11」もWindows10のUpdateを通じて無償アップグレードされる予定なので、「メジャーバージョンアップはもう行わない」という開発方式は同じということになる。

 

マイクロソフト、Windows版の制作を中止 - BBCニュース

 

 誤解された発表内容

 2014年9月30日(現地時間)にプレス向けイベントにて発表された。

 製品名はWindows Vista以後、78 (8.1) とナンバリングされてきたが、9を飛び越すかたちで "10" となった。

 これについてマイクロソフトは「新世代のWindows、そしてあらゆるデバイスで包括的に動作する幅広いプラットフォームであるといったことを表わしている」と説明した。

 また、カーネルもWindows Vista (6.0) 以来の刷新が行われ、内部バージョン番号は6.xから10.0となり、ナンバリング製品としてはWindows 3.1以来のナンバリングと一致する形となった。

 基底となるソフトウェアが高効率化したため、OS全体として以前のバージョンから更に高効率化した。

 以前のバージョンのWindowsと異なり、Windows 10では "Windows as a Service (WaaS)"(サービスとしての Windows)という新たなコンセプトが導入された。  Windows 10ではローリングリリースモデルを新たに採用しており、今後は機能改善や新機能の追加といったOSのアップデートが3月と9月の頻度でWindows Updateを通じて無償で行われる。

 Windows 10が継続して更新されていくため、従前のようなOSのメジャーアップデートはなくなることになる。

 これについて、マイクロソフトのデベロッパー エバンジェリストのジェリー・ニクソンは「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」であると述べた。

即ち「Windows 10 は、Windows as a Service によって、最新の機能と最新のセキュリティを提供することで、決して古くならない新しい Windows へと生まれ変わる」としており、この方式の「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」ということである。

 マイクロソフトは、2025年10月14日(日本時間10月15日)までは少なくとも1つのWindows 10 半期チャネルを引き続きサポートするとしており、Windows 10 Home、および個人向けのWindows 10 Pro(個人向けのPro for Workstations含む)のサポートライフサイクルは2025年10月14日(日本時間10月15日)で終了するとしている。

 Windows10は従来の固定ライフサイクル ポリシーではなくモダン ライフサイクル ポリシーに従うため、メインストリームサポートや延長サポートという区分はない。引き続き、品質修正プログラムも配信されている。