大したことは書けませんが、どなたか若手のPTがみて僕の臨床経験が参考になればと思い書かせて頂きます。

以下は新井の臨床経験での個人の意見です。
間違えがあるかもしれませんし、違う意見があればコメント頂けたらと思います。

さて、
ストレッチをする時の目的はいくつかあります。

僕は治療手技として、ストレッチを大切にしています。
関節には当たり前ですが、可動域があります。

例えば膝関節では、軟部組織が取り除かれ骨のみだと
大腿骨の関節面ギリギリまで脛骨が滑るので150ー160度くらいまで膝は曲がるはずです。

もしも膝の関節がコレよりも可動域が少ないとしたら
それは軟部組織、例えば膝の靭帯や関節包、筋肉が問題ということになります。

つまり何も問題のない関節だとしたら膝の関節は150度くらい曲がらないとダメだということになります。

これらの軟部組織が短縮されていた場合、例えば膝の関節の可動域が130度の場合(これは元々日本人で膝の関節が若い頃150度曲がっていた人の場合になります)は可動域が制限されていると判断します。


もちろん関節が変形され、K-L分類がⅣなどの場合は別ですが、

変形が大きくなければ全可動域がしっかりと動くことが大切です。当たり前のようですが、治療をしているとこの前提が無視されていることが多いし、後輩やその他のセラピストをみていてもそのように感じています。

まずは「関節は動くべきところまで動かすべき」
だと思います。


そこで間違うのは「とにかく伸ばせ」的な発想です。
また、「柔らかいと筋力が落ちる」的な発想です。

ストレッチ直後は一時的に筋力は落ちるという論文はありますが、実際僕が調べた範囲では45秒間ストレッチ後の筋力は落ちなかったし、


長期的な成績の報告はみたところみつかりませんでした。

つまり何も筋力に関しては気にしなくていいというのが僕の見解です。ストレッチすると強度によって、例えば強めのストレッチをすると息止まりませんか?
結構キツくやると疲れますよね?
これはストレッチをすると自然に力が入ってしまうからだと思います。そして力が入ってしまうという事は筋肉が収縮をしていることを意味しますので、疲れるし筋力が落ちる(疲労してしまう)ということです。

疲労させたくない。これからリレーだ!パフォーマンスを落としたくない!という方は軽めにやれば全く問題はありません。とくに予防という観点からみると、
運動でこれから使う可動域の範囲でストレッチをしておくことでまさしく「準備」になりますので、非常に効果的です。


しかしながら、

ストレッチの本来の目的は「筋肉を伸張させ、サルコメアの数を増やしたい」です。

筋肉の繊維の長さを増やしたいという目的として行っているのなら、「力に比例して組織は伸びる」という前提があるのである程度力を持続的に加えて行う必要があります。

とくに痛みのある方は可動域が制限されている事が多いので、ストレッチをする必要があると思います。

しかしながら、痛みがある方はそもそも普段から筋肉を伸張しないため、すぐに筋肉がつってしまったりします。

面白いことに、そのような方の関節可動域のエンドフィールはかなり抵抗感がありません。

もっと伸ばせるはずなのに伸ばせない。

コレが一番問題となります。


その場合はゆっくりと40秒以上を4ー5セット丹念に行いましょう。痛みはでないギリギリもしくは本人が大丈夫というギリギリまでやっていきましょう。


痛みを出している組織が、筋肉、靭帯、関節包、支帯などの場合は痛みが取れるかもしれません。

細かくいうと、例えば膝蓋半月靭帯は半月板に繋がっている場合もあるので
膝のストレッチによって半月板も動くと考えられます。ストレッチによって実際には色々なところが動いているんですね。


というわけで何が言いたいかというと、「可能なら関節が本来なら動く範囲まで動かせ」ということ🌟

正しく伸ばして正しく運動をしていきましょう。

きっとあなたの身体は良くなります。



さて、

次に「とにかく伸ばせ」的な発想について…

あ…

コレは次回にしますか⁉️