いつも君を想う 19 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

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むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。





























シウォンヒョンが帰って来ない。


「シ・・・ウォナ。」


口に出して名前を呼んでみる。
いつもはヒョンと呼んでいるのに、今日はヒョンと呼びたくない。
せめて二人の時間の時だけは・・・。

一人で想う時だけは、こう呼んでいいよね?

シウォンのベッドで布団にくるまって声を殺して泣いた。
どうしようもない想いが涙になって溢れて止まらなかった。

















明け方、シウォンがマンションに帰るとキュヒョンの姿はなかった。

やっぱりいないか・・・。

ベッドルームに行き、ベッドに腰掛けネクタイを緩める。
深い溜息とともに肩を落とした。

まさかこんな時間になるなんて。
連絡も出来ず、
ただキュヒョンに会いたくて半ば強引に帰って来た。

ふと、マクラが目に入った。
少し濡れたあとがある。

もしかしてここで泣いていたのか?


「キュヒョナ・・・。」


口に出して名前を呼んでみる。
胸が熱くなった。
目をつぶれば今もそこにキュヒョンがいるのに。


カタン。カラカラカラ・・・。


「え?キュヒョナ?」


「お帰り。」


「ど、どうして?」


ベランダからキュヒョンは罰の悪そうな顔をして
恥ずかしそうに部屋に入ってきた。


「待ってるって言ったじゃん。」


「え?だって玄関に靴が無くて。」


「ベランダに出るのに靴は必要だろ?」


「そっか。そうか。」


俺は慌ててキュヒョンに駆け寄り、
嬉しくて嬉しくて思いっきり抱きしめた。


「ちょ、痛いよヒョン。」


「ホントに待っててくれたんだ。」


「だって、約束したし・・・。」


ちょっと膨れたキュヒョンが可愛くてキスをした。


「あのさ、マクラにキスするのやめてよね。」


「え?見てたのか?」


「出て行こうとしたらキスしてたんだろ?」


「ハハ。引くなよ。
キュヒョンが愛おしいからだよ。」


「シウォナ。」


「わっ。」


キュヒョンが満面の笑みで俺に抱きついてきた。
嬉しくて。
愛しくて。
このまま離したくなくて。


あれ?
今、シウォナって言わなかったか?
いつもはヒョンなのに。


「キュ・・・。」


それなのに俺ときたら安心感からか、
ワインを飲み過ぎたのか、
一気に肩の力が抜けて眠気が襲って来た。
そんな俺を気遣って、キュヒョンが俺をベッドに促す。
シャワーも浴びず、下着一枚になって布団に滑り込んだ。

ああ。
キュヒョンの匂いがする。
極上の香りだ。


今すぐキュヒョンとひとつになりたいのに。
抱きしめてキスをして
俺だけに見せる顔を見たいのに。


キュヒョンの指先が俺の髪に触れる。


「今日はゆっくり休んで。
僕がずっと抱きしめてあげるから。」


キュヒョンの甘い声が心地良い。
俺はキュヒョンの腕に包まれて
胸の音を聞きながら子供のように眠った。



そして俺は夢を見る。



キュヒョン、
いつか一緒に海へ行こう。
誰も知らない海へ。

二人だけで。

波の音を聴きながら砂浜を一緒に裸足で歩こう。

キュヒョンが微笑んでくれるなら
俺は全てを投げ出しても構わない。
たとえ世界の果てに行こうとも
俺たちが男同士ということには変わりはなくて。
どうにもならない恋をどうにかしたくて。

俺は時々夢を見る。

現実はあまりにも残酷で、
この恋は間違いだと警笛を鳴らす。

それでも俺は
キュヒョンを離しはしない。





たとえそれが不誠実な恋であっても。







゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚







6時間前。


「すみません。遅れました。」


郊外にある会員制の豪華なレストラン。

何だ?
この趣味の悪いゴージャスな造りは。
一体誰がここに決めたんだ?


「まあ、シウォン。
遅かったじゃないの。何度も電話したのよ?」


「すみませんオンマ。
仕事中だったので、出れなかったんです。」


「お前、今日は休みの筈だろう?」


アボジが眉間にしわを寄せながら怒っていた。


「急な仕事ですよ。」


「ハハハ。
まあまあみなさん、落ち着いて。」


豪快に笑いながら話に入ってきたこの男は、
見合い相手の父親のようだ。
彼女と目が合い、軽く会釈をする。
形式通りの簡単な挨拶を済ませ、テーブルに着いた。

彼女は良くも悪くも
良く躾けられたお嬢さんだ。

よく喋る父親に対し、母親は隣りでただ微笑みながら頷いている。
きっと母親が自分のようにと、
父親が女は男に順従であれと躾けたのだろう。
花嫁修業を難なくこなし、どこに出しても恥ずかしくない自慢の娘。

きっと妻にすると何でも黙って言うことを聞いてくれる
男にとっては理想の、いや、都合の良い妻になるだろう。

でも、それだけだ。

両家とも結婚は家と家とのメリットのためにするものだと思っていそうだ。
こんな事に振り回されてる子供は溜まったものじゃない。
俺は適当に笑みを浮かべながら相槌を打つ。

反吐が出そうだ。

何の味もしない、美味しくも楽しくもない食事。
高そうなシャンパンにワインを開け、大人達の自慢話。
虫唾が走る。






うんざりだ。















つづく。
















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]