いつも君を想う 20 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

SUPER JUNIORのキュヒョンと、
ウォンキュが中心のブログです。
たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

Twitter→@gyuyes

※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。








はじめに。


すみません。
一度誤って途中の小説をアメ限で上げてしまいました。
読まれてしまった方、ご迷惑をおかけしましたm(_ _ )mぺこり。


さて、前回の話から1ヶ月以上空いてしまいました。
いろいろ騒動があり、あの時はこの話を上げれなかったので・・・。


では、
前回を忘れてしまった方は↓こちらからポチッとどうぞ。


いつも君を想う 19



そして続きはスクロールしてくださいませ~。



































キュヒョン。
今すぐお前が欲しい。
お前の全てが。
大人達の偽りの世界から逃げ出して
愛も躰も全部俺のだけものにしたい。
こんな陳腐な話に付き合える程、俺は人間が出来ていない。





「君は、好きな人とかいないの?」



「え?」


親達が余計な気を遣って席を立ち、
彼女と二人きりにさせられたところで話を振った。



「お付き合いしてる人は?」


「そんな、いません。
私、まだ男性の方と一度もお付き合いした事がなくて・・・。
それで、シウォンさんとのお話があって、
貴方になら会ってみたいと思ったんです。」



「どうして?」


「え?」


「どうして俺なら良かったの?」


お互い、食事をする手が止まった。
彼女は俺から目をそらし気まずそうに答える。


「あの・・・。
親に勧められたので・・・。」


やっぱり・・・。
俺じゃなくても誰でも良かったんだな。
結局は親のいいなり・・・。
いや、俺も同じ穴の狢か・・・。


「君はそれで良いの?
親の決めた相手で良いの?」


彼女は少し困惑している様だった。


「私は・・・よく分かりません。
小さい頃から親の決めた相手と結婚すると思ってましたから・・・。」



模範的な回答だ。
彼女には自分の意思というものがないのか?

その時、ふと元カノを思い出した。
彼女は自分の意思表示がはっきりしていた。
あの頃は少々うるさいと感じていたが、
今思えばそれぐらいが丁度良かったのかもしれない。

じゃあ、
キュヒョンは・・・?


「フッ。」


「え?」


「あ、失礼。
ちょっと思い出し笑いをしてしまって。」


キュヒョンの意思表示か・・・。
肝心なことは何も言わないで、
かと思えば感情をぶつけてきたり大胆になったり
恥ずかしそうにくっ付いてきたかと思えば冷たかったり・・・。

くくっ。
これも立派な意思表示か。
可愛くて放っておけなくて、目が離せなくて。

そうか。

大人しすぎるのも、口うるさいのも
そんな事はどうだっていいんだ。全く関係ないんだ。
ただ、

「好き」

ということだけなんだ。

俺の胸を熱くさせるのも
道を外してまで一緒にいたいのも
全部キュヒョンだからなんだ。


「なんだ。そう言うことか。」


「あの・・・。」


「ああ、すみません。
実は私には、心に決めた人がいます。」


「え?」


彼女は目を丸くして俺のことを見た。


「もっと早く言うべきでした。
親の手前、言い出せずにいました。
私がこちらに来たのも食事会だと伺っています。
貴方はお見合いだと思って来られたのですか?」


「はい・・・。
私はそうだと聞いていました。」


「そうですか・・・。
本来ならばお見合いの場合、男性から断るのは失礼なこと。
しかし私は食事会として来ました。
数々の無礼申し訳ありませんが、
貴方のほうからお父様に、縁がなかった。
自分の思っている人とは違っていたと、伝えてくれませんか?
なんなら最低の奴だったと言ってくれても構いません。」


「・・・。」


全くの反応無しか・・・。
彼女はどうしていいか分からず、目が泳いでいる。
悪いと思ったが、俺はもうこの場にいたくなかった。


「それでは私はこれで。」


「シウォン!!」


席を立った瞬間、アボジに呼び止められた。


「何を考えているんだお前は!!」


「アボジ、いつから聞いていらしたんですか?」


ドアの外で事の成り行きを聞いていたのか、
ご丁寧に勢ぞろいだ。


「そんな事はどうでもいい。心に決めた人だと!?」


アボジは怒りで握った拳が震えていた。


「アボジ、そんなにお怒りになったら血圧が上がりますよ。」


「なっ!!」


俺は至って冷静だった。
アボジとオンマが俺に何か言っている。
俺の耳には何も届かなかった。

早くキュヒョンに会いたくて会いたくて仕方なかった。
もう、親のいいなりにはならない。
キュヒョンと二人で歩いて生きて行く。

見合い相手の父親は激怒し、両親が頭を下げる。
なぜだ?
俺には分からない。
何度も断ったはずだ。
ここにはあくまでも食事会として出席しただけだ。
本人達は乗り気だったのかもしれないが、
俺は両親の顔を立てるだけの事だった。
そうか。
結局はこの食事会に同意してしまった自分にも非があるのか。

キュヒョンを守る為と思っていたが、初めから断るべきだった。
いや・・・。
断るなんて、その時は出来なかった。
あの時はまだ、キュヒョンとは何もなかった。
キュヒョンと食事をしていた時、
見合い相手の彼女から電話がなければ、約束を取り付けなければ
キュヒョンの気持ちが分からなかったのかもしれない。
そう思うと彼女には感謝だな。
おかげで俺たちはお互いの気持ちを伝え合ってひとつになれた。


ああ、なんだか周りが騒がしい。


「お取り込み中申し訳ありませんが、私は約束がありますので。」


「シウォン!!お前は!!」


俺は深々と頭を下げ、目も合わせず部屋を出て数歩のところだった。


「キャー!!」


オンマの叫び声が聞こえた。
慌てて部屋に戻ると、アボジが額に汗をかいてその場で倒れていた。


「アボジ!!」


うろたえるオンマに苦しそうなアボジ。
頭が真っ白になりそうだった。

俺は、俺はなんてことを。
目の前が歪んで見える。
こうなる事は予測出来たはずだ。
もう少しスマートに出来なかったのか?


俺は俺を愛する人達を苦しめているのか。
俺を愛してくれる人達を悲しませているのか。
神様・・・。

でも、私にはキュヒョンが必要なんです。


俺がアボジに声を掛けている間、
秘書やレストランの従業員が救急車とタクシーの手配をし、
手際よく他の客を寄せ付けないよう配慮してくれた。
お見合い相手はこの状況で怒りを忘れ、この場はお開きとなった。




外は今にも雨が降り出しそうな空模様だった。
真っ暗な闇が俺を襲う。
まるで出口の無い迷路のように。

それなのに俺ときたら
キュヒョンの事で頭がいっぱいで、
今何してるのか
俺の部屋で待っててくれているのか
一人で寂しい思いをしているんじゃないのか、
そんな事ばかり考えてしまう。


救急車の中で
オンマがアボジの手を握りしめていた。


結婚てなんだろう。
夫婦とはなんなのか。
家族とは・・・。
ぼんやりと二人を見つめていると涙が滲んでくる。



「シウォン・・・。」



オンマに名前を呼ばれてドキッとした。
オンマは振り向きもしないで淡々とした口調で俺に訊ねる。



「あなたが心に決めた人って、どんな人?」



「・・・。」



「韓国の方?」



「はい・・・。」



「そう・・・。」



俺はオンマに何と答えたらいいのだろう。
正直に話して、オンマまで倒れたら・・・。



「ごめんなさいね。」



「え?」



「私達が焦りすぎたのね。
あなたの気持ちも考えずに・・・。
ごめんなさい・・・。」



「オンマ・・・。」



俺は胸が張り裂けそうだった。
オンマは何も悪くないのに。
悪いのは・・・。

神に背いてまでキュヒョンを選んでしまった自分。
キュヒョンを愛してしまった自分。
これから俺はこの恋と引き換えに、色々な物を失うだろう。
それでも愛さずにはいられなくて。

キュヒョンを愛してる・・・。



「オンマ・・・実は・・・。」



「病院に着いたら行っていいわ。」



「え?」



「お父さんと二人きりになりたいの。」



オンマの言葉が胸に刺さった。
大事な人を二人も傷付けてしまった。

オンマだって上の空の俺を側にいさせたくないだろう。
そして・・・。
オンマの優しさ・・・。
オンマは気付いたかもしれない。
本当に俺に大事な人がいるってことを。

オンマがゆっくり振り返り、俺を見て微笑んだ。


「好きにしなさい。」


涙が出そうだった。
オンマを抱きしめアボジの手を握り、
感謝の気持ちを伝えた。



「ありがとう。」



それが俺の精一杯だった。












つづく。
















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]