いつも君を想う 17 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

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SUPER JUNIORのキュヒョンと、
ウォンキュが中心のブログです。
たまに東方神起も☆
むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。
































キュヒョンが俺に微笑んでくれたから。
キュヒョンの笑顔があまりにも眩しくて。
俺は話を切り出すことが出来なかった。

涙が出そうになった。

親のエゴに振り回される自分。
今までそんな風に感じたことはなかった。
いっそ家族も何もかも捨ててキュヒョンと一緒に逃げようか。

キュヒョンは着いて来てくれるだろうか。
いや、何考えてるんだ俺は。
俺たちはまだ始まったばかりじゃないか。
キュヒョンにとっても重荷だろう。

今まで親の肩書きは
俺にとって尊敬出来る事でもあり、負担でもあった。
それが今、こんなに重くのしかかるとは。

結婚の意味が分からなくなる。
ただ、好きな人と一緒にいるだけじゃダメなのか。

まだまだ子供な自分を恨めしく思う。
早く大人になりたい。
早く一人前になって、周りから何も言われない強い男になりたい。











病院から帰って来たシウォンヒョンの様子がおかしかった。
僕が何も気付かなかったと思ってる?
気付かない訳ないだろ?
ずっとシウォンヒョンだけを見てきたんだから。

シウォンヒョンが切ない顔をするから
僕は胸が苦しくなった。

泣きそうなシウォンヒョンの頬を両手で包み
シウォンヒョンの髪に手を滑り込ませ
そのまま自分の唇に誘った。

まだあちこち傷む躰を悟られないように
シウォンヒョンを受け入れる。


「あっ・・・。」


シウォンヒョン、僕を見て?
真っ直ぐ見て。

他の誰も目に入らないぐらい僕を愛して。

窓から青い空が見える。
僕たちは太陽が一番高く昇っても
飽きることなくお互いを求めあった。







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翌日から俺たちはお互いの仕事が忙しく、
連絡を取り合うことが難しくなった。
電話は留守電が多く、
メールだけの簡単なやり取りぐらいだった。

キュヒョンにはちゃんと会って話したい。

あれから一週間が経った頃、アボジから連絡があった。
検査結果はどこも異常無しと言うことだった。
倒れたのは睡眠不足からくる疲労だ。

久しぶりにアボジは長い休暇を取って
元気な姿で俺の仕事先の中国に同行して来た。
相変わらずパワフルで、
とてもつい最近倒れた人とは思えない。



「アボジ、大丈夫ですか?」


「大丈夫だよシウォン。
このぐらい、何ともないさ。」


「でも・・・。」


「お前は心配し過ぎなんだよ。
俺はお前が思ってるほどヤワじゃない。」


機内で快気祝いだとシャンパンを開け、
上機嫌で美味しそうに飲むアボジは、人間健康が一番だと笑う。


「何と言っても、
今度は一緒に食事するお嬢さんと会うのが
今の一番の楽しみだからな。」


「はは・・・。」


やっぱりオモニはアボジに伝えてしまったのか。


「アボジ・・・。実は・・・。」


「食事会は絶対だぞ。命令だ。」


それは、
普段とは全く違う仕事の目をした
有無を言わさない鋭い目つきだった。

アボジがここまで上り詰めたのも、
並々ならぬ努力があったのだろう。

俺なんて足元にも及ばない。

全て見透かされている様で、何も言えなくなった。
結局俺は、
一人暮らしを始めるまで親の庇護で何不自由無く暮らしてきた。
芸能界に入り独立したという気になっていたが、
事の大変さを知らない。
人一倍努力はしてきたつもりでも、
荒波に揉まれることも無く
様々な苦労も身を持って経験したことが無い。
親元にいる限りは贅沢な不満だと人は笑うだろう。

そんな俺にキュヒョンは何と言うだろう。

そうだ。
俺はキュヒョンにまだ何も言っていない。
自分がどうしたいかも分かっていない。
分かっているのは
ずっとキュヒョンと一緒にいたいと言うことだけ・・・。

キュヒョンはどう思ってくれているだろうか。
俺と同じ気持ちだろうか。




中国の空は朝から灰色のスモッグに覆われ、
まるで俺の心を表しているかの様に思えた。










つづく。











[画像はお借りしています。ありがとうございます。]