※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。
シウォンヒョンが病院へ向かった後、
僕はシャワーを浴びた。
昨日は夢中で気にならなかったけど、
身体のあちこちが痛い。
熱めのシャワーで身体を温めた。
鏡に写っている自分は、いつもと違う自分みたいだ。
ホントにシウォンヒョンと・・・?
昨日の事を思い出して躰が熱くなった。
こんな躰の僕をシウォンヒョンは愛してくれた。
僕は首をブンブンと横に振って気持ちを落ち着かせた。
バスタオルで身体を拭いていると、
下着と服は全部ベッドルームに置いてあるのに気付いた。
小さなため息をひとつ落とし、ベッドルームに向かった。
ドアを開けると生々しい昨日の情事の痕。
服が散乱してシーツは乱れ
サイドテーブルのライトは付いたままだった。
急に恥ずかしくなって下着に手を伸ばした。
ふと、ベッドからシウォンヒョンの香りがした。
シウォンヒョンの匂い・・・。
そうか。
僕は昨日、シウォンヒョンに包まれたんだ。
なんだか温かい気持ちになって
裸のままフトンにくるまって窓の外を見た。
空がすごく高くて、秋の訪れを感じた。
そういえば、最近空なんてゆっくり見たことがなかった。
このフトンにくるまれてると、ヒョンにハグされてるみたいだ・・・。
そのまま僕は身体を起こし、ベッドの上に腰掛けた。
白い雲がゆっくり流れていくのをずっと見ていた。
僕たちは一緒に歩いて行けるのかな?
あの雲のように並んで、どこまでも歩いて行けるのかな?
急に胸が痛くなって泣きそうになった。
こんなにもシウォンヒョンを好きだったなんて。
俺は車を走らせマンションへ向かった。
仕事だと嘘をついて病院から出て来た。
お見合いだなんて馬鹿げてる。
親同士の決めた相手なんて、政略結婚だろ。
冗談じゃない。
俺は自分の人生は自分で決めたい。
好きなように生きたい。
アボジだって応援してくれてたじゃないか。
俺はハッとした。
ちょっと前までは、こんな風に考えた事がなかった。
確かに芸能界に入った時、
親に頼らず自分の力でやりたいと、ここまで頑張ってきた。
でも、結婚に関しては
どこかで諦めてた部分があった。
俺は親の決めた女性と結婚すると思っていた。
どんなに完璧な女性が目の前に現れても、心が動くことはなかった。
それなのに。
キュヒョン。
俺はこんなにも心を動かされている。
今すぐ会いたい。
そうだ。キュヒョンに電話を・・・。
くそっ。何てことだ。
iPhoneをマンションに忘れてきた。
もう、キュヒョンは帰ったかもしれない。
慌てマンションの地下駐車場に車を止め、足早で部屋に向かった。
ガチャ。
バタバタバタ。
バタン。
「キュヒョン!!」
「シウォンヒョン?」
ベッドルームに入ると、
そこにはベッドに腰掛けているキュヒョンがいた。
「ヒョン、どうして・・・?お父さんは?」
「ああ。思ったより大した事なくて。
まあ今日は一日検査入院なんだけど・・・。」
「・・・?」
「えっと・・・。俺はその・・・。
キュヒョンがまだいるんじゃないかって・・・。
うん。まあそう言うことだ。」
キュヒョンは目を丸くしていた。
「それで慌て帰って来たわけ?」
「うん。」
「プッ。アハハハハ。」
「何だよ。笑うなよ。
こっちは必死で・・・。
・・・キュヒョン?」
キュヒョンがフトンにくるまったまま
トコトコ俺の傍までやって来て、顔を近づけた。
ちゅっ。
キュヒョンからの初めてのキスだった。
「お帰り。」
「キュヒョナ~!!」
「わっ!ちょっと。何。んん!」
キュヒョンを押し倒し夢中で唇を貪った。
「ちょっと待っ・・・。」
「キュヒョンが可愛いことするからだろ?
しかも裸だし。誘ってんの?」
「なっ。」
キュヒョンが見る見る真っ赤になっていく。
「は、裸なのはシャワー浴びて・・・。
服とかベッドルームに置きっ放しだったし。」
「だったし?」
「だからっ。」
「だから?」
「もう!」
俺はキュヒョンが可愛いくて仕方なかった。
恥ずかしそうに笑って、でもすごく嬉しそうで。
俺の頬を両手で包み
とびきりの笑顔を俺に見せてくれた。
さっきまでの不安だった自分が嘘みたいだ。
キュヒョンといるだけで
こんな幸せな気持ちになれるなんて。
つづく。
[画像はお借りしています。ありがとうございます。]