いつも君を想う 15 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

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むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。









































俺が病院に着いたのは、
それから一時間後だった。

キュヒョンと余韻に浸ってる暇は無く、
慌ててシャワーを浴び、車を走らせた。

鍵はキュヒョンに預けてきた。

もっと一緒に居たかった。
もっと抱きしめたかった。
一人で大丈夫だろうか?
不安でいっぱいになってないだろうか?

俺がシャワーを終えて出て来た時、


「気をつけて。」


と言ってキュヒョンから抱きついて背中に手を回し、
ポンポンと叩いてくれた。

気が動転していた俺は
キュヒョンのその行動で落ち着きを取り戻した。
キュヒョンの優しさが手から伝わってくる。
本当はもっと傍に居てやりたかった。
躰が辛い筈なのに、俺を気遣ってくれた。
今日はキュヒョンが居てくれて本当に良かった。

好きな人にぎゅっと抱きしめてもらうだけで
あんなにも安心するものなのか。

俺は車の中でキュヒョンのことばかり考えていた。

今、一番考えなければならないのはアボジの事なのに。
こんなにもキュヒョンが
俺の中でいっぱいになっていたなんて。





コンコン。


病室のドアを開けると、
そこには父と母と父の秘書がいた。


「オモニ、アボジの様子は?」


「ああ。シウォン。
よく来てくれたわ。
今、丁度眠ったところなの。
大した事無いらしいんだけど、
今日は大事を取って一日検査入院する事になったのよ。」


「そうか。」


いつもパワフルな父を見ているせいか、
ベッドで眠っている姿はとても小さく見えた。


「それでね、シウォン。」


「ん?」


「近いうちに会ってもらいたいお嬢さんがいるのよ。」


「え?こんな時に何言って・・・?」


「こんな時だからよ。
夜、お嬢さんから電話があったわ。
あなたと会う約束をしたって。」


「ああ・・・。」


すっかり忘れてた。
あの後、キュヒョンの事で頭がいっぱいになって。


「私達も同席したいの。」


「同席?それはちょっと・・・。」


「お父さんがすごく楽しみにしてるのよ。
まさかあの後、倒れるなんて思ってもみなかったでしょ?
ねえ、お父さんの気持ちを汲んであげてくれないかしら?」


「・・・。」


両親が同席すると言うことは、
事実上お見合いをすると言う事だ。

何てことだ。


「俺にはまだ早過ぎるよ。
今、仕事が起動に乗り始めたばかりだし。」


「形だけで良いのよ。
お父さんが聞いたら、きっとすぐ元気になるわ。
とっても喜んでくれると思うの。」




分かっていた。
遅かれ早かれ、こんな日が来る事を。
両親が同席なんて、余程の相手なんだろう。

でも俺はキュヒョンを愛してる。

はたから見れば
俺は滑稽に見えるだろう。
男に骨抜きにされた馬鹿な男だって。
それでも俺はキュヒョンを失いたくない。


「シウォン?
もしかして、誰か良いお嬢さんがいるの?」


フッ。
お嬢さんか・・・。
答えられる訳がない。

俺はこの恋を守るなら何だってする。


「分かったよ。
彼女と約束した日で良いかな?
もちろん、アボジが退院して元気になってたらだけど。」


「まあシウォン。嬉しいわ。
お父さんの目が覚めたら、一番に報告ね。」


俺は愛想笑いを浮かべながらキュヒョンを想った。

こんな事、大した事じゃない。
形だけのお見合いをして、両親を安心させるだけで良い。
アボジがこれで元気になってくれるなら、
キュヒョンを守れるなら。

両親には、
俺の返事は最初から決まっていると言おう。
一番良いのは誰も傷付けないように、
最初からお見合いなどしなきゃ良いんだが・・・。


「食事という形で良いかな?」


「もちろんよ。」


「はっきり言っておくけど、
俺はまだ結婚する気はないから。」


「まあ。シウォン。」


俺はどうかしてしまったのかもしれない。
キュヒョンに会いたくて会いたくて
抱きしめたくて。

アボジがこんな時なのに・・・。

まるで初めて恋をしたみたいだ。


「アボジの結果が分かったら連絡して。
俺は今から仕事だから。じゃあ。」


急にいたたまれなくなって病室を後にした。
俺は両親の顔が見れなかった。

自分の犯してしまった罪。

これが罪だと言うのなら、
神が降す罰を俺は甘んじて受け入れよう。
いや、もうとうに罪だなんて言う意識はなかった。



俺はキュヒョンに夢中だった。














つづく。













[画像はお借りしています。ありがとうございます。]