いつも君を想う 10 | むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

むらたま SUPER JUNIOR キュヒョンブログ

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むらたまとは(むらさきたまご)の略です^^

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※ウォンキュ小説です。
苦手な方はUターンしてくださいね。



























少し狭い路地の奥にある、小さな完全個室の店。


「なかなかムードあるな。」


「お忍びデートって感じだね。」


「お忍びってお前・・・。」


キュヒョンはきょとんとして俺を見る。
この天然くんは全然自分で気付いてないんだな。
ああ。
だから天然て言うのか。
俺が今まで見てきたキュヒョンとはなんだか違う気がする。

オレンジのワントーン色を落とした照明の店内は
シックでシンプルにまとめられ、
他の客と会わない様に配慮がしてある。


「こんなとこ、初めてだ。」


キュヒョンが俺の後ろに着いて来てボソッと言う。

こぢんまりした落ち着きのある部屋に通され席に着く。
キュヒョンはちょっとドキドキしてるみたいだ。


「シウォンヒョン・・・。
なんだかすごく緊張するんだけど。」


「はは。そんなの、
美味しいワインと料理を食べれば
すっかり消えて無くなるさ。」


メニューに目を通し
キュヒョンと
食べたい料理を言い合う。


「あ、僕これ食べたい。仔羊のロースト。
ん~でも、ホタテのポアレもいいし、コンソメのジュレと塩ウニは外せない。」


「俺はムール貝かな。
鮮魚のタルタルも捨てがたいし、手長海老も食べたいな。
肉は・・・。そうだな。
豚肉と白インゲン豆の煮込みかな。」


「あ!チーズ。チーズが食べたい。
山羊のチーズピラミッド。」


「クックック。」


「何?」


「いや、キュヒョンは食べるのが
ホントに好きなんだと思ってさ。」


「だって楽しいじゃん。
ワインに出会ってから
美味しい料理を食べるのがすごく至福の時なんだ。」


「確かに。」


メニューで顔を隠して
目だけ見えてるキュヒョンは子供みたいで、
本当にあのステージの上と同一人物なのかと思ってしまう。

ソムリエにワインを選んでもらい
食前酒とアミューズで舌鼓を打つ。

今日のキュヒョンは機嫌が良い。
その日俺はすこぶる調子が良くて、酒も料理も申し分なかった。
マリアージュとまではいかないが、
キュヒョンと過ごす楽しい時間を俺は満喫していた。
キュヒョンは上機嫌でワインは3本目を開けようとしていた。


「おい、キュヒョン。ピッチ早過ぎだって。」


「大丈夫。大丈夫。」


こんなキュヒョンは初めてだ。
少しトロンとした目で俺を見ながらニコニコしている。


「何か嬉しい事でもあったのか?」


「何で?」


「いや、すごく機嫌が良いから。」


「僕っていつもそんなに機嫌が悪い?」


「そうじゃないけど、あまり喋らないだろ?」


「そうかな?」


プルルルル・・・。プルルルル・・・。


「さっきからよく鳴るね。」


「全く困ったよ。」


最近頻繁にかかって来る電話。
彼女と別れたこのタイミングで
親から会ってほしいと言われていた女性だった。
俺には盗聴器でも付けてあるのかと、疑うぐらいだ。


「出てあげたら?」


「いや・・・。」


プルルルル・・・。プルルルル・・・。


「はー。ちょっとごめん。
やっぱり一度出ておくよ。
・・・もしもし?」


またキュヒョンが一点をみている。
さっきまであんなに楽しそうだったのに、
一瞬で色褪せてしまった。


「うん。うん。分かった。
いや、その日はちょっと。
ああ、じゃあ21時なら大丈夫。うん。」


早々に電話を終わらせキュヒョンに目をやった。


「また彼女変えたの?」


「え?いや・・・。」


冷ややかなめでキュヒョンが俺を見ていた。


「キュヒョン、さっきも言ったように
俺は彼女と別れたばかりだぞ?
いくらなんでも・・・。」


「ふ~ん。そうだったね。」


キュヒョンは残りのワインを全て自分のグラスに注ぎ一気に飲み干した。


「おい、キュヒョン。
そんなに一気に飲んだら・・・。」


「大丈夫だよ。これぐらい。
ちょっとトイレ行って来る。」


席を立った瞬間、
キュヒョンの足元がグラ付きテーブルにぶつかりそうになった。
俺は慌ててキュヒョンを支えようと身を乗り出した。


「大丈夫か?・・・???」


今、キュヒョンの唇が少し触れたような気がした。


気がしただけで・・・。


「トイレ。」


そのまま部屋を出て行ったキュヒョンを
俺はただ呆然と見ていた。

なん・・・で・・・?

いや、今のは事故だろ。
あんな、触れたかどうかも分からないキス・・・。













つづく。

















[画像はお借りしています。ありがとうございます。]